平和に乾杯。 | ナノ





今日は久しぶりに二日酔い。

昨日の鍋はやっぱりたまらなく美味しすぎたから、ついつい呑み過ぎてしまった。

しかも今日コタツを片付けるということに決まったから。それが名残惜しくてやっぱりくどくなってしまって。


「はぁあ、おまえの温もりを知ってしまったらもう他では満足できないのに…!」

「なんか卑猥だなオイ、」

「今夜はずっと突っ込んでてやるんだからね…!」

「すげぇ卑猥だなオイ。」


コタツの話です。
ウソップにビシッとツッコミをいれられながら足を伸ばして、布団に頬擦りしてた。
ふわりと太陽と潮のいい匂いが香って、じんわりとした温かさとのコラボが眠気を誘ってきた。けれど何とか打ち勝って。


結果くどくどくどくど呑んだというわけなのです。


「………頭いたい。」

「鍛え方が足りねぇ。」

「…………体質的なものもあると思う!」


そのくどいお酒に付き合ってくれたのはやっぱりゾロなんだけど。相変わらずのザル具合。
途中までウソップも付き合ってくれたんだけどね。ついていけねぇ、って言ってコタツで寝ちゃった。戦線離脱。


「フ、……ま、昨日はいつもより呑んでたからな、」

「そーだけど。ゾロだっていつもより呑んでたじゃん。何で翌日に残らないの。」

「知らねぇ、おれの中が強ぇからじゃねぇの。」


中が強いってなんだそりゃ。
しかもドヤ顔。

でも本当。ゾロのザル具合はうらやましいくらい。
呑む量はあたしも一緒くらいなんだけど。ゾロが最近よく呑んでいるお酒は度数がキツい辛口のもの。それをぐいぐい呑むからね。

しかも今は平気な顔して筋トレしてる。さすがです。

上下に動くダンベルを、なんとなく目で追って。
筋肉が盛り上がる腕を見ると、立派だなぁと感心する。


「あ、筋肉になってるのかな。」

「酒が?……昨日呑んだ分じゃあ、あんまりいい筋肉はつきそうにねぇな。せめて金粉入りじゃねぇと。」

「ふふ、確かに。」


酒がゾロの筋肉になってるなんて、ふふ、なんて実のない変な話を。それにノリよく返してくれる、こんなテンポの会話が楽しいんだけどね。

でも今日は二日酔いなので。

笑うと頭に響くんだよね。


「二日酔い、そんなにひでぇのかよ。」


ちょっとガンガンしだしたから、こめかみを抑えて目を閉じてると、ゾロがダンベルを置いてあたしの前に腰をおろした。

正直ダンベルを床に置いた衝撃でさえ響くんですけど。

気を付けてよ!と若干逆ギレ風に思いながら目を開けると、汗を拭くゾロが目に入った。

滴る汗がセクスィーなので怒りはどこかに行きました。


「んー、ここ最近で一番。」


セクスィーさで頭痛は治らなかったけどね。でも目の保養ができた。なんとなく楽になったよありがとう。


顔、首、上半身、と乱暴にタオルで汗を拭いていくゾロ。
最後にきれいな緑色の短髪をガシガシとして。

ニヤリとしながら言ったのは結構鬼畜な一言。


「しゃあねぇな。今から迎え酒するしかねぇ。」

「…………え、」

「二日酔いに効くらしいぜ?」

「でもさすがに今からはちょっと………!」

「んだよ、たまにはおれにも付き合え。」


こう言われたらあたしは何も言えなかったりする。

だっていつも、上陸したらあっち行きこっち行きとお店巡りに付き合ってもらったり。

鍛練が終わったら寝かす暇なく呑みに付き合ってもらったりしてるから。


「…お手柔らかに頼みます。」

「ク、…おー、期待しとけ。」








ちょっとまった。


(あ、おいウソップ、まだコタツ仕舞わねぇでくれ。)

(はー?おまえらまだ呑むのかよ!)

(ちょっとまってよゾロ、コタツは入んなくていいじゃん!)

(ばか、迎え酒なんだから昨日と同じくれぇ呑まねぇと意味ねぇだろ。)

(は?!そんなわけない、てゆーかゾロが呑みたいだけじゃない?!)

(フ、おー、とりあえず金粉入りのいい酒呑もうぜ。)






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