平和に乾杯。 | ナノ





最近暖かくなったからといってつい油断していた。

二日前に久しぶりに長風呂して。火照った身体のままキャミソールと短パンという格好のままでビール呑んでたのが原因だと思う。しかも甲板で夜風を楽しみながらの酒盛り。


昨晩から何となく喉が痛くなって、ちょっと咳なんか出てきてて。ま、大丈夫でしょー、でも今日はお酒呑むのは止めとくかって軽く考えてベッドに入ったんだけど。(この時点で超心配された。あたしが酒呑まないからって…、)

夜中から背筋がゾクゾク、身体が重いし痛い。そして何よりも喉が痛くて唾を飲み込むのも一苦労。
どう考えても駄目だと思い、夜中で申し訳ないけどナミとロビンに聞こえるように訴えた。


「ゲホッ、ゴホゴホ、うう゛う゛…!!」

「ちょ…!!ゾンビみたいな声出してどうしたの?!」

「ひ、ど…!ゴホゴホ、」

「大丈夫?船医さん呼んでくるわね、」


声がうまく出なくて、超掠れた声になっちゃって。今冷静な頭で思ったら、誰がどう見ても風邪だなってわかる症状なんだけど。まともに喋れないしいよいよヤバいと思った。

ああ、あたし死ぬんだ…、って超弱気になったよね。


「うん、風邪だな。」


そんな弱気なあたしの気持ちなんて丸っと無視してチョッパーは冷静に診てくれた。


「……だよねぇ、ゴホゴホ、」


「熱と…、めちゃくちゃ喉腫れてる、辛ぇだろ…、飲みにくいと思うけど、薬飲めるか?」


動けないからチョッパーが女部屋まで来てくれてて。夜中にごめんねって謝ったら優しく笑って「謝ることじゃねぇよ、」と男前発言してくれてかなり萌えた。

でも風邪だと診断されたから、ナミとロビンに移しちゃ駄目だから、チョッパーが人型になってお姫様抱っこで医務室のベッドまで連れて行ってくれた。
ナミとロビンは、大丈夫なのにって言ってくれたけどやっぱり申し訳ないし。うん。

それからお薬は、前に粉薬は嫌だと言ったのを覚えていてくれたみたいで。持ってきてくれた薬は錠剤とシロップだった。

ああ、嬉しいなぁ。


「じゃあ、薬飲んで、今夜はもう寝ろよ。ちょっと出るけど、辛くなったらすぐ呼んでくれ。」

「うん、ありがとー。」

「また後から様子見に来るからな、勝手に動いたりすんじゃねぇぞ!」


最後に、もちろん禁酒禁煙だからなって真剣に言い残して医務室を出たチョッパー。
きっとサンジに療養食を作ってもらうように頼んでるに違いない。


(………参ったなぁ。)


弱ってる時ほど優しさが胸に染みる。
まだ熱を帯びてて頭がぼんやり霞む。
みんなに心配かけちゃうなぁ…とそんなことを微睡みの中で過って、いつの間にか深い眠りについた。







優しさにうるうる。


(ん、よし。ゆず、まだ寝てるな。)

(ゆずちゅわぁぁ"あ"ん…!!!!死なねぇでぐれぇえ"え"え"!!!チョッパー何とかしてくれよおぉぉ!)

(うるせぇ!!死なねぇし!てかただの風邪だっつってんだろうが!起きたらどうすんだ!)





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