ギィィィ
両開きの扉を片方、ゆっくりと開けた。
「よぅ。一週間ぶりだな、名前。」
その大広間であろう、きらびやかな装飾の広い部屋の中央に男、 古賀がいた。
『名前を呼ばれるのもおぞましい。』
「うわっ。ひでぇー。」
可笑しそうに笑いながら言う彼からは、いつかの爽やかさなど欠片も感じない。
「あれ?なに、怒ってんの?俺が勝手に動いたから?」
『それもある。けど今のアンタの態度に腹が立つ。タメ口を許した覚えないんだけど。』
無表情で淡々と答える私に彼はクスリと笑うと静かに近づいてきた。
すると私の背に回り、いやらしい手つきで私の顎を摘まみクイッ と上げた。
「相変わらず冷てぇなぁ名前さんは。もう少し素直なら可愛げがあんのにな。顔はイイんだからさ。」
バンッ!!
「『!!!?』」
彼がそう言い放った直後、突然勢い良く扉が開いた。
「御用改めである!!大人しくお縄につきやがれ古賀!!」
そこにいたのは、
『副長…』
土方だった…