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「あのこ、かわええな〜。あ、あの子もかわええ。」
こいつが問題の彼氏だ。
彼女が目の前にいるにもかかわらず、平気で他の子を見て鼻の下をのばしている。
「はぁ〜。」
「ん?無し、どないしたん?」
「廉造には関係ない。」
ま、悪いのは廉造だけど。
最初からこんな性格だって分かってはいたけど……こんな彼氏、いるわけないよね。
ここにいるけど。
「廉造なんて、大嫌い!」
「なんでっ!?無し、つめたない?
……あ、もしかして妬いてるん?」
「べ、別に妬いてなんてないし!」
「心配せんでも、俺が好きなんは無しだけやで。」
「……今さら遅い。」
そう言って、塾へ向かう。
「ちょ、無し待ってや〜。」
廉造のこと、嫌いになれそうにないな。
(廉造、大好きだよ)
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