背中 1/2
「全く、莉緒ってしっかりしてそうな癖にたまにドジだよねぇ」
半ば呆れたように臨也は笑った。
「階段から足を踏み外すとか、どこの落ち着きのない小学生なの?ちゃんと足元ぐらい見なよ」
「そこまで言わなくたっていいじゃない」
でも友達との会話に夢中になって足元を見ていなかったのは事実だ。
「捻挫で済んだからいいけど、頭でもって打ったらどうするの?」
「ごめんなさい…」
こういうときの臨也はお母さんみたい。
「今お母さんみたいだとか思ったでしょ?」
「いっいや、そんなことは…」
「へぇ、図星かあ。」
そう言って臨也はニヤリと笑って見せた。
私が臨也に口で勝つなんて100年早いんだろう。
臨也に口で勝てたことは覚えてる限り一度もない。
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