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───ネットカフェ 午前1時

「帰りたい…」

そんな言葉とともに盛大なため息がでる。
本当ならば今日はバイトが休みで久しぶりに家でのんびり過ごせる筈だった。

だけど家に帰れなかった。
正確に言えば帰り方が分からない。
最悪のほかなんでもない。

どうしてこうなったのか。
出来事は数時間前にさかのぼる。






──────午後4時

学校が終わり、電車に乗りこむ。
冬の寒さを忘れる位、車内は暖かかった。
お気に入りの白いコートにマフラー姿で登下校。変わらない日常。
でも昨日までずっとバイトが連勤続きだった事と金曜日ということもあって、いつもより疲れていた。
そのせいか、段々と睡魔が襲ってくる。





いつのまにか寝ていたらしい。
照明が眩しくて目を開けられない。
…ちょっと待って、今どこ?
もしかして乗り過ごした!?

慌てて目を開とそこには見慣れない風景が広がっていた。
電車の中で有ることには違いない。
だけどさっきまで乗っていた電車とは違う電車。
寝ぼけてるのかと思ったけど違う。意識はハッキリしてる。

何がどうしたの?此処はどこ?
何が何だかさっぱり分からない。
ただただ呆然としてると電車が止まった。
駅に着いたのだろう。

このまま乗っていても仕方がない。
とりあえずこの駅で電車を降りて見ることにした。


降りた先に見えた、案内表示には見慣れない二文字。

い…池袋…?

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