Let's make a bet

海常高校前

何がどうして
何に血迷って
僕は

こんなところに来てしまったんでしょうか







「黒子っち、黒子っち!今日、久しぶりに出かけないッスか!?ふ・た・り・で」

「うざいです黄瀬君。あと、一昨日もマジバ行きましたよね。全然久しぶりじゃないです」


僕と黄瀬君が付き合い始めたのは1ヵ月前

それからというもの、今まで以上に引っ付いてくる黄瀬くん
正直うざいです。あ、前からそうでしたが

…っていうか、今 部活終わったばっかりですよね?
何でそんなに元気なんですか?犬なんですか?


「くーろこっちー!オレ、寂しくて死んじゃうッスー!」

「そうですか」

「辛辣!」


寂しくて死ぬって うさぎですか
ああ、犬でしたっけ

言い方も何もかもが うっとおしく感じる


「…あ」

「!?な、なんスか黒子っち」

「そうですよ」

「えっ…まさかやっとオレとデートしてくれる…」

「黄瀬君、僕と賭けをしませんか?」





先に相手に電話したり会いに行ったりしたら負け

…なんていう、馬鹿な賭けをしたのが二週間前

ありきたり?
なんとでも言ってください
だってそのときにはそれしか思いつかなかったんですから

それに、黄瀬君ならすぐにメールでも何でもしてくると踏んでいたから



なのに



「なんでこないんですか」



もう一度言いますけど
二週間ですよ、二週間

あの黄瀬君が何もしてこないなんて
僕のほうが黄瀬君に会いたくなるなんて







何がどうして、なんて分かってた
ただ会いたかっただけで海常まで来ただけ

校門前に立って、様子をうかがっていると


「え、あれ?…え?」


そんな声がどこから聞こえた

聞き覚えのある声
振り返って見えたのは黄色い髪



「なん、で、…だって、会いにくる、なんて」

「気分です。…断じて、会いたかったとかじゃないです。というか、君のほうこそなんで会いにこなかったんですか

黄瀬君?」

「く、黒子っち〜!」


会いたかったッス、ずっと、考えてたッス
相変わらずの口調で黄瀬君は抱きついてきた

こんなんで安心するなんて不覚だ



「会いたかった、黒子っち…でも、仕事、忙しくておれ…っ」

「はいはい…別に気にしてませんよ」

「…慰めてんスか?…でも何か悔しい…」

「気にしてません、本当に。会いたかったって、そう言ってくれただけで嬉しかったんですから」


そう言った途端
カッ、と
黄瀬君の顔は真っ赤に染まった



Let's make a bet




(黒子っちがデレた…)
ずるい、そんなこと言うなんて

(君のほうがずるいですよ)
そんな顔するなんて


賭けもたまには悪くないのかもしれません



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何されても動揺しないのに以外と繊細だったり
冷たい態度とってる割にさらりと男前発言したり
そんな黒子っちにトゥンクして「抱いて!」とか
黄瀬君は思っているに違いない




2012/11/24.







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