松永は政宗を床に俯せにさせ、腰を掴んで尻を持ち上げた。
 尻孔の周辺を指先で撫でる。
「な、何を……」
「期待しているんだろう?」
そう言いながら松永は指をゆっくりと孔に差し入れた。
「くっ……ん、やぁっ…んぅっ…」
先走りと精液が伝って濡れていたそこは、障りなく指を受け入れる。
 政宗の頭の中は己の中に侵入してくる松永の指に嫌悪感で一杯だったが、催淫香が効いているせいで体は否応なく感じてしまう。粘膜が擦れる刺激を更に欲している。
「ほう、ここは初めてではないようだ。まあ良い」
指の挿入を二本に増やし、中で二本の指をくねくねと曲げ動かし孔を拡げほぐしていく。
「そろそろ良さそうだ……さあ、竜の中はどんな味かな」
松永は袴をずらし自身の性器を政宗の孔にあてがう。
 先端を擦りつけると、孔の入り口がひくひくと蠢いた。
「欲しいかね?これが」
「くっ…、だ、誰が…そんな…」
「おやおや、竜は下の口の方が素直と見える。正直に欲しがれば良いのだよ」
ずぶずぶと亀頭の段差まで中に沈めると一旦戻す。
 中の具合を確かめるように浅く出入を繰り返した。
「おお、吸い付いてくる…これは想像以上に良いな」
そう言うと政宗の腰を掴み、一気に根元まで挿入した。
「あぁああああ!」
政宗の中の感触を愉しむように、ゆっくりと抜き差しを繰り返す。

 松永は、揺らめく蝋燭の灯りに浮かび上がる政宗の背中を見ていた。
 その白い肌は快楽に火照り、しっとりと汗ばみ、艶やかな光沢を放っている。鍛えられた筋肉で引き締まったその身体は突き上げる度に背がしなった。
「なんと美しい……これはなかなか手放せそうにないな。本当に良いものを手に入れたものだ」
「んっ、んぁぁ…、ほざく…な…あっあぁっ」
「もっと竜の啼き声を聞かせてくれたまえ」
背後から性器に手を伸ばす。既に再び屹立していたそれは先端から垂れた先走りが床に糸を引いていた。
 松永の手は根元から先端まで撫で上げると、指で鈴口を割り、尿道口を刺激する。
「ひぁ!あっあああっ!」
後ろから貫かれる快感に、性器を弄られる快感が加わり、政宗はもう何も考えられなくなっていた。
 押し寄せる快感の波にただ身を委ねる。
 揺さ振られる度に、鎖がじゃらじゃらと鳴った。
「ぁああ!んあっ!あっあああっ」
政宗は再び射精した。
 松永は構わず腰を動かしながら、残滓を搾り取るように性器を扱いた。先端から滴る白濁が床に散っていく。
「そろそろ私も達しそうだ。このまま中に失礼するとしよう」
抜き差しが激しくなり、う、と一声漏らすと松永は政宗の中に射精した。

 松永の性器が抜かれると、中から精液が零れ、政宗の腿を伝う。
 腰を掴んでいた手が離されると、政宗はそのままどさりと頽れた。
「竜の身体、美味しくいただいたよ…ふふ、病み付きになりそうだ。飽きが来るまでは、そうして飼われていてくれたまえ」
「……こ、殺せ……てめェが殺さなくても、」
「おっと、自害など卿には似合わんよ。人質は卿だけだとでも思っているのかね?」
「Damn it!どこまで汚ェんだてめェは……!」
「私は自分の欲望に忠実なだけだ。では失礼するよ」
松永は香を拾うと扉の向こうへ去っていった。




「ぐっ!うぇぇっ」
政宗はいきなり吐き気を覚え、その場に嘔吐した。先程の行為を思い出しただけで気分が悪くなった。
 漸く言う事をきき始めた体を起こし壁に凭れ、片膝を立てて座る。
 火照りが治まり身体が冷えてくると、思考が明瞭になってくる。
 先程の松永の言葉から他の人質もまだ命はあると考え、一先ず安慮する。
しかし人質はおろか自身の今いる場所さえわからず、脱出する術を暗中模索するより他なさそうだった。
 そして政宗は、真田幸村の事を考えた。
 幸村以外の男に体を許したのはこれが初めてである。万一ここから抜け出せたとしても、幸村に合わせる顔がない。
 囚われの身とは言え自分以外に身体をいいように弄ばれたと知ったら、軽蔑するだろうか。軽蔑しないとしても、もう以前までのような関係ではいられないだろう。
――――もう、会えねェ。
 いつの間にかその隻眼から涙が溢れていた。




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