あ、と短い音を発した二人の声が重なる。暗い夜空にキラキラひかる星たちが、降るように消えていく様を見て、きらきら、きらきら、瞳が輝くのが自分でも分かった。

「今の、見た!?」
「見た!やっぱすげーなあ!」

カメラを構えた哉太はシャッターチャンスを逃さないようにとファインダー越しに夜空を見上げている。真剣な横顔がかっこよくて思わず頬が緩む。哉太の肩に頭をあずけて、また空を見上げた。

「へへへへ〜」
「なんだよ機嫌いいな」
「哉太がねーかっこよくて嬉しくなったの」
「はっ!?」

裏返った大きな声は反響することなく夜の闇にとけていく。闇のなかではわからないけれど、きっと照れ屋な哉太の顔は真っ赤なんだろうなあと想像して楽しくなった。

「いきなり何言ってんだよ…」
「たまには素直になってみようかなーと思っただけですよー」
「心臓に悪いからやめろ!」
「なになに照れてるの〜?哉太かーわいー」
「それすげえむかつく!」

草がつくのもおかまいなしにごろごろとはしゃぎまわっていたら夜空にまた、きらり、流れ星

「あ!流れた!」
「まじかよ〜見逃したー!」
「へへーんお願いごともしたよ〜」
「へえ、何お願いしたんだよ」
「内緒〜」

そういうと、口を小さくとがらせて拗ねる哉太を見て頬が緩む。そばにあった哉太の右手をぎゅっと握ってみると、心地よい強さで握り返された。




(120119)




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