「じゃーーーんっっ!!!」



効果音付きでキョトン顔のハンサムの目の前に突きだしたのは、ピンク色の小さな袋。
パッケージには「pink rose flavor」とポップな書体で書かれている。
実はコレ、恥ずかしがり屋なバニーちゃんと一緒にお風呂に入りたいが為に買ってきたモノ。

Japanese bath oil!入浴剤だ。
こんなおじさんが可愛いピンク色の入浴剤を使うのかと、少し店員さんに変な目で見られたけど。



「…?何ですかそれ」

「入浴剤!さっき買ってきたんだ、いーだろ!」

「にゅうよくざい……?」

「バスオイルだよ、バスオイル!知ってるだろ?」

「ばすおいる………」



入浴剤の袋を目の前でサラサラ振ってみても、このハンサムは相変わらずキョトン顔。
…まさか……


「バスオイル、知らねーの?」

「…知ってますけど…使ったことはないです。いつもシャワーだけで済ませてますし…」

「マジで!?じゃあ一緒に使おうぜ!絶対気に入るから!」

「…えー……一緒にですか…?」



露骨に嫌そうな顔をするバニー。
え、ちょ、おじさん傷つくんですけど!



「バニーちゃーん?おじさんとお風呂入るの嫌なのー?」

「嫌ではないですけど…おじさん何かしてきそうだし」

「なんもしねーよ!お前は普段俺をどういう目で見てるんだよ!そ…それに、このバスオイルバニーちゃんの好きな薔薇だぜ?薔薇の匂いの風呂って入ってみたくねえ?」

「!薔薇っ……」


薔薇、という単語を口にした瞬間、バニーちゃんの翡翠色の瞳がキラリと光った。
そして顎に手を当てて何やら思案して、一言。



「…何もしないなら、いいです」


………約束は出来かねます!









バカでかいバスタブにたっぷりとお湯を張り、そこにピンク色の入浴剤を入れる。
するとお湯は一瞬にして淡いピンク色に染まり、薔薇の香りがバスルームに広がる。
せっかくこんなに大きいバスタブがあるのにシャワーだけなんて勿体ない!

さあ入ろうかと脱衣所で服を脱ぎ全裸になると、バニーはまだボタンを外しただけでもたもたしていた。眼鏡すら外してない。


「バニーちゃーん!さっさと脱いでこっち来いよ!」

「いっ…今行きますから!うわっ脱がさないで下さい!」

「お前が脱ぐのおせーからだろー?おじさんが脱がしてやろーか?」

「断固拒否します!!もう、先入ってて下さいっっ」



無理矢理バスルームにぐいぐい押し込まれる。
バニーちゃんの照れ隠しは可愛いけどちょっと痛い。

バニーちゃんのご機嫌を損ねたら一緒にお風呂に入ってくれないかもしれないと、大人しく従ってバスルームに入る。
洗面器で浴槽からお湯を掬って掛け湯すると、薔薇色のお湯に体を沈める。
俺とピンク色ってめちゃくちゃ似合わねえな、なんて考えていると、おずおずとバニーちゃんが入って来た。



「何で前隠してんだよ。女子か!」

「あっ……あなたが見るからでしょう!」

「今更恥ずかしがることでもねーだろー?もう何回も見てるんだからさ、バニーちゃんの」

「なっ…!だ、だからってそんなにじろじろ見ないで下さいっ」


シャワーで体を流してから遠慮がちにバスタブに入って来たバニーちゃんは、脚を伸ばして座っている俺の隣にちょこんと体育座りで座った。
そんなに警戒しなくても良いのに。なんだか初々しくて可愛いけど。
というか、大の男二人が入ってもこんなに余裕があるバスタブってすげーな。



「どうだ?初バスオイルの感想は?」

「…ん……いいにおい、です。たまにはお風呂もいいですね」


そう言って、ピンク色のお湯を手で掬って肩に掛けるバニー。
うわ、めちゃくちゃ色っぽい。
少し湿った髪や、ピンク色のお湯と白い肌のコントラストは目に毒だ。

脳内で本能と理性がガチンコファイトしていると、バニーがこてんと肩に凭れかかってきた。



「えっ…ちょ……バニーちゃん?」

「………………んぅ」



なんか様子がおかしい、と思ってバニーを見ると、普段真っ白な頬が赤く紅潮していた。
…もしかしてコイツ、逆上せてる?



「おーい、バニー?顔真っ赤だぞ?大丈夫か?」

「…ん…ぁつ、い………」


普段シャワーのみで、湯船に入る習慣が無いコイツに、熱い風呂はキツかったらしい。
熱い息を吐きながら、ぐったりと火照った体を預けてくる。



「おい、1回出るか?ちょっと体冷ました方が…」

「ん……せん…ぱいっ」

「は?ん……ん゛っ!?」



ぱしゃりと水が跳ねる音がしたと思うと、バニーの白い手に頬を挟まれる。
そのまま顔を引き寄せられ、濡れた唇と唇が重なった。





続きは執筆中です><少々お待ち下さい!
ばにーちゃんは薔薇好きそう。というか似合う。
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