付き合い出してわかったこと。
バーナビーは意外と経験が少ない。
めちゃくちゃ遊んでそう、という訳ではないが、その人並み外れた容姿から、それなりに女遊びはしてそうだと思っていたし、していても仕方ないと思っていた。
しかし、実際は。
ちょっと手と手が触れ合っただけで真っ赤になるし、キスなんてしちゃったらさあ大変。
舌入れたときなんか泣かせてしまったし(本人はびっくりしただけだから気を悪くしないで下さいと言っていたが)。
初心で奥手で純粋なバーナビー。
だからこそ、自分の手で大人にしてあげたいと思っては、いけませんか?
Friday night
金曜日の夜、いわゆるハナキンというやつ。
明日がオフということで、可愛い可愛い恋人のおうちで晩酌中。
一応正社員ですからね、週末はお休み。事件が起きなければ。
ばかでかいソファに凭れているバーナビーの肩を、そっと抱いてみる。
一瞬びくりと反応したが、特に抵抗はせずにちびちびとマティーニを呑んでいた。
最近やっと体を触られるのに慣れてきたようだ。いや、性的な意味じゃなくて!
触れるだけならバニーちゃんからキスしてくれるようになったし、舌を入れたらたどたどしくだが応えてくれるようになった。
だから今日は、そろそろ次のステップに進みたいと思う。
おじさん、頑張ります!!
「バニー、それ美味しい?」
「ええ。甘くて呑みやすいですよ。…呑みますか?」
「いーや。おじさん甘いお酒は苦手でよぉ。こっちの方が良いわ」
「えっ……?ん、っ!」
肩に回した手でバニーの体をぐっと引き寄せ、アルコール味の唇に口付けた。
空いてる方の手でグラスを奪い取り、ガラステーブルに置く。
彼の咥内からアルコールの味が無くなるまで蹂躙すると、力が抜けたのかくたりと体を預けてきた。
酸欠になったらまずいと、慌てて唇を離す。
真っ赤な顔ではあはあと荒く息を乱すバーナビーの姿を見て、下半身に熱が溜まるのを感じた。
…あー…ヤバイ。
初めてはベッドでって決めてたんだけど…そんな余裕、無さそうだ。
「…バニーちゃん…続き、してもいい?」
「はあっ……は……つづ、き?」
「セックスしてもいい?ってこと」
「なっ……!あっ…セッ……!!?」
顔を真っ赤にして、口をぱくぱくさせるバニーちゃん。
あ、この単語は知ってるんだ。ちょっと安心した。
「ごめんな、無理言って。忘れてくれ」
「いっ…良いです、から…」
「……え?」
「だからっ!その、構いませんからっ……し、して、ください」
「ほ、本当に良いの!?バニーちゃん無理してない!?」
「そんなことないです!、けどっ……僕こういうこと何も知らないし…は、初めて、なので」
優しく、してください。
そう消え入りそうな声で呟かれた言葉に、俺の理性が持つ訳なかった。
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