「…………ん……」
「お、目ぇ覚めたか?」
恋人の顔が視界に入って、ぼんやりしていた意識がだんだん覚醒してきた。
やはり、あのまま気絶してしまったらしい。スポンサーの男はもう部屋には居らず、代わりに分厚い封筒がサイドテーブルに置いてあった。
「こてつ……さん?」
「おう、虎徹さんだよ。…大丈夫か?」
「………っ虎徹さん!」
虎徹さんの姿を一目見ただけで、一気に体温を取り戻した。
営業の後に虎徹さんがホテルまで迎えに来てくれるのはもう恒例で、知らない男に蹂躙された体を清めるように抱いてくれるのも恒例だ。
「…今日はまたこっ酷くヤられたみてーだな…」
「え……?」
改めて自分の姿を確認してみると、外面的な汚れは先程の男の手によって綺麗にされていたが、手首には痛々しい赤い痕が残っており、いたぶられ過ぎた乳首は真っ赤に腫れてしまっている。こんな体を見られたくなくて隠そうとするが、虎徹さんに手首を掴まれてそれは叶わなかった。
「あの……?」
「ッ……バニー…」
「え……?あっ、んぅ、」
突然、掴まれた手首を引き寄せられたかと思うと、唇と唇が重なった。
すぐに咥内に熱い舌が侵入し、息継ぎもできない程激しく舌を絡められる。
ぴちゃぴちゃという厭らしい水音が脳に響く。
酸素が足りなくて頭がぼーっとしてきて、体がじんわりと熱を持ってくる。
「痛かったなぁ、もう大丈夫だからな。俺は酷くなんかしねえから」
「こてつさ……ぁ、ん……」
痛々しく腫れた乳首に優しく触れられ、喉から甘ったるい声が漏れる。
散々痛めつけられたそこは微弱な刺激にも敏感に反応し、すぐにぷくりと立ち上がった。何よりも大好きな恋人に触れられているという事実が心地良かった。
「可愛い…バニーちゃん、気持ちいい?」
「ぁ…んん…きもち、い……っ」
「ん、じゃあもっと気持ちよくしてやるからな?」
「?ぇ……ひゃっ、ん……!」
片方の乳首にちゅう、と吸い付かれ、腰がびくりと跳ねる。
腫れ上がったそこを柔らかな舌で舐められ、嬲られ、時々吸われるのが堪らなく気持ちいい。
もう片方の乳首は指の腹で転がされる。あまりの快感に、甘えるような声が止まらなくなった。
「ふぁあ…!あっ……ん…こてつ、ひゃ」
「んー?どうしたバニーちゃん」
「もっ、みるく、でないからっ……そんなに吸わな、ッ」
「?出てきたけど、バニーちゃんのミルク」
「え、ぇ……?」
虎徹さんが僕の胸から顔を離すと、そこは確かに白い液体で濡れていた。
スポンサーに搾られ過ぎてもう出ないと思ったが、虎徹さんに刺激されてまた分泌され始めた。快楽と乳腺が直結しているのだろうか。
先程搾乳機で無理矢理搾られた時ほど勢いはないが、刺激される度に少しずつミルクが溢れるようになった。
きゅぅ、と摘ままれれば玉のようにミルクが浮き、重力に従って肌の上を滑ってゆく。
それを熱い舌で舐め取られ、おかしくなりそうな程の快感に狂ったように喘いだ。
「ふァっ…あっ…ぁあッん……きもちぃっこてちゅひゃ…」
「えっろ…呂律回ってねぇよ、バニーちゃん」
「んぁ…らってきもちぃッ……ッああ、ん、ぃっちゃ、うぅ……っ」
「!おっと」
大好きな虎徹さんの指と舌で執拗に乳首を刺激され、もうイきそう、と思った瞬間刺激が止んだ。
解放されなかった熱が体中を駆け巡り、苦しくて、もどかしくて、堪らない。
「ん…ンっ、ぁ…なん、で……っ?」
「ん?乳首より、ココでイけよ」
「っひゃ、や……ッ」
ミルクで濡れた指がそっとアナルの周りをなぞり、ゆっくりと中に入ってきた。
刺激が欲しくて仕方なかったそこは簡単に長い指を根本まで受け入れ、締め付ける。
虎徹さんの指が、焦らすように内壁を撫で、ゆるくピストンする。
直接的ではない刺激に、無意識に腰が揺れてしまう。
「腰揺れてるよ?バニーちゃんのエッチ」
「ぁッ…だ、ってぇ……ぁあ、ん…やだ……きもちよくしてぇ……っ」
「ん、どんな風に?」
「ぁ、んぅうっ!」
急に指を引き抜かれ、たったそれだけの刺激なのに腰が跳ねてしまった。
咥えるものを失った穴がはしたなくヒクついているのが自分でも分かり、顔が熱くなる。
「はっ…ぁ…ん……っ」
「なあ、答えろよ」
「………っ」
虎徹さんの視線を痛い程感じる。
舐めるようなその視線に、体の奥がきゅんと甘く疼く。
もう我慢できなくて、欲しがっている穴がよく見えるように自分で自分の脚を抱えた。
「こ…虎徹さんのおっきいので……僕のここ、きもちよくしてください……っ」
「…ん、よくできました」
「、ひぅ……ッ」
言った瞬間、虎徹さんの熱い剛直が一気に一気に奥まで貫かれ、一瞬呼吸が止まる。
自分で抱えていた脚を代わりに虎徹さんに抱えられ、空いた両手を彼の広い背中に回した。
与えられる快感の所為でうまく力の入らない腕でぎゅっと抱き着くと、すぐに激しい律動が始まる。
「ッふ、あ、ッぁあ、あ、こてちゅ、しゃ、あァっ!」
がくがくと激しく揺さぶられ、呼吸もままならない程にはしたない声が止まらない。
乱暴に抜き差しされる度に内壁を擦られ、奥を突かれ、気持ちよくておかしくなりそうだった。
その証拠に全く触れられていない僕のペニスは腹に付く程に反り返り、先走りを垂れ流していた。
「んぁあッ、ぁん、きもちぃ…ッきもちい、よぉ、」
もう自分が何を言っているのか分からない程、脳が快楽でぐちゃぐちゃだった。
虎徹さんの逞しい背中に抱き着き、彼の律動に合わせて腰を振ってしまう。
はしたない姿を晒せば晒す程、彼が興奮してくれるのを知っているから。
「こて、ちゅ、さんっ、きもちい?ぼくのおしり、きもちぃ、ですかっ?」
「ッん……気持ちいいよ、バニーの中……っ」
「ひ、ぁ…うれしい……っぁ、らめえッ」
激しく奥を貫かれながら、ぴんと起ち上がった乳首に吸い付かれる。
これ以上快感を与えられたらおかしくなってしまいそうで、必死にやめてと懇願する。しかし、やめる処か更に強くそこを吸われ、気が狂いそうな程の快楽に喘いだ。
「や、ヤだやだっ、こてちゅしゃっ、すぐイっちゃ…ぁ、あンっ」
「ん……いいぜ、イけよ……ッ」
俺もイくから、と耳元で囁かれた瞬間、気付いたら自らの腹に白濁を吐き出していた。
自分が達したのを認識してすぐに内壁にじんわりと熱いものが広がり、ああ彼も達したんだなと思った。
獣のような激しいセックスに、お互いの荒い息遣いが静かな部屋に響く。
まだ呼吸が整っていない彼にキスを強請ると、触れるだけの可愛らしいキスをしてくれた。
ちゅ、ちゅ、と啄むようなキスを何度か繰り返し、ゆっくりとナカから虎徹さんの萎えたペニスが抜き去られた。
すると一気に倦怠感が全身を襲い、瞼が落ちてきた。
「…バニーちゃん、疲れた?」
「……んぅ…少し……」
「だよな……起きるまでこうしてるから、ゆっくり休みな」
「ん……はい……」
虎徹さんの逞しい腕に頭を乗せると、ふわりと優しく抱き締められる。
温かい体温と大好きな匂いに眠気を誘われ、ゆっくりと目を閉じた。
end