ある晴れた平日の朝。
いつものように出社すると、オフィスには既に相棒兼恋人の姿があった。
おはようございます、と眠そうな声で挨拶する彼の顔に、違和感。
「あれ、バニーちゃんいつものしてねーの?」
「バーナビーです。…ああ、メガネですか?」
「そうそう。何で?イメチェン?」
「違いますよ……朝ちょっとバタバタしてて、かけるの忘れただけです」
「ふーん…」
顎に手を当てて、いつもと違うバニーの顔を観察してみる。
これ以上無いって位ひとつひとつのパーツが整っていて、それはもう憎らしいほど。
いつもは薄いレンズに越しにしか見ることのできなかった翡翠色の瞳は、宝石のように美しく、吸い込まれてしまいそうだ。
髪の色と同じ、柔らかい金色の睫毛はマスカラやらつけまつげやらでドーピングした女のそれよりも長い。
…あー…こんなキレイで美人な子がおじさんの恋人でいいのかね。
「…僕があなたを選んだんだから、良いに決まってるでしょう」
「へあぁっ!?バニーちゃんエスパー!?」
「全部口に出てますよ。気付いてないんですか」
「うっわー無意識だったわー……ってゆーかバニーちゃんっ!バニーちゃんがデレたっ!!」
「っ………」
「バニーちゃん可愛いーっ!!もっかい言って!アンコール!」
「〜〜〜〜っっ!!うるさいっ!」
からかい過ぎたのか、頬を真っ赤に染めたバニーはぷいっとそっぽを向いてしまった。
よく見ると、耳まで真っ赤。本当にうさぎちゃんみたいで可愛い。
「バニーちゃんごめんなー、こっち向けって」
「っ…知りませんっ、おじさんなんて」
「なあ、バーナビー」
「っ!!なにっ……」
何か言いかけたバニーの薔薇色の唇に、ちゅっと音を立てて可愛らしいキスをひとつ。
「ん、やっぱメガネ無い方がちゅーしやすいな」
「…な、なんです、か、っ、突然っ」
「いやー、バニーちゃんがあまりにも可愛いからしたくなった。これから2人っきりの時はメガネ外してよ。な?」
未だに真っ赤な顔のバニーにへらりと笑いかけると、またしてもそっぽを向かれてしまった。
「……むかつく、おじさんのくせに」
不満そうなマイハニーの呟きは、聞こえないフリ。
end.
一度は書きたかった眼鏡オフネタ。
時々バーナビー呼びになるおじさま、イケメン!
こんな感じで、あたしの書く虎兎はあほみたいに甘いです。