『忘愛症候群』

忘愛症候群とは両想い、両片想いという絶対条件のなかで何かをきっかけに発病する病気で誰しもが発病する可能性をもっています。そもそもの患者数は大変少なく、そのため知名度があまり高くない病です。

「忘愛症候群を発病した患者は愛している人を拒絶するようになり、愛している人に関するすべての記憶がなくなってしまう。その過程は人それぞれで、一夜にして綺麗さっぱりすべてを忘れてしまうものもいれば、日々薄れていく愛しいものへの愛や記憶に恐怖するものもいる。一から新しい関係を築こうとしても一度この病にかかったものは皆何度でも記憶をなくしてしまうのも特徴」というのが基本的な忘愛症候群の病状ですが、このシリーズはこれを土台としてオリジナルな病状をつくることもありますのでご了承下さい。

忘れられた人たちの大半は涙を流しながら諦めていきますが、どうしても諦められない人たちも存在します。ですが、その人たちもまた忘愛症候群にかかりやすく、最後には忘れてしまうというのがオチで、また、極めてまれなケースでお互いが同時期にお互いを忘れてしまうこともあります。
この病が感染することはありませんが、この病により悩み苦しんだ人ほど発病しやすいので発病者と両想い又は両片想いの人ほど発病する可能性が高いといえます。 

忘愛症候群にワンピースの世界での医療は全く効果をなしません。ですが、この病を治す方法はたった一つだけ存在します。それは「愛する者の死」です。これを行うことにより発病者は忘れていた愛情も記憶も全てがよみがえります。しかし、記憶を取り戻したということは愛する者の死亡の宣言となるため、事の次第を知った瞬間に大きな絶望に苛まれることは明白です。両片思いの中には無自覚な人がいることもあります。そのことから記憶を取り戻した瞬間自分の思いに気づく人もいます。その場合は失って初めてその恋に気づくのです。 

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