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君の部屋に飼われて久しい


「……ん…」


静かな寝息だけが繰り返される夜明け前の部屋。辺りはまだ薄暗く、太陽はまだ水平線から顔を覗かせてはいないんだろう。
もそりと寝返りを打てば、やんわりと身体を拘束していた刺青だらけの腕がぎゅっと絡みつく。


「……寝れねェのか?」
「ごめん、起こしちゃった?」
「別に構わねェよ、せっかくだから気持ちイイことでもするか?」


掠れた声が耳元を擽り、思わず身を捩れば骨ばった手が意地悪な動きをする。ククク、と可笑しそうに笑うローの腕の中でくるりと身体を反転させ、その胸へと頭を預けた。


「しばらくこうしてたい……ダメ?」
「フフ…おまえとなら悪くねェな」


そう言って、つむじに小さく降ってきたキスに頬が緩んだ。夜明けまであと少し。




2010.6.12
title / joy


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