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御堂筋くんとバレーボール



  ※恋人設定。




 今日の体育はバレーボールの時間。本来女子と男子に分かれてやるのだけれど見事男女一人ずつ残ってしまい、今回御堂筋くんとバレーのチームを組むこととなってしまった。




 元より自転車しか出来ない御堂筋くんに取っては嫌なスポーツ其の物なのだろう。




 でも、今年の球技大会はバレーボールだ。何とかして御堂筋くんにはサーブくらい打てるようになってもらわねば。




 と、考えた私はバレーボールを手に取り、私より何倍も大きい御堂筋くんの服の裾を握って端っこへと誘導する。




「 ………いやや。 」

『 ダメだよ、今年の球技大会はバレーボールなんだし…何より、身長高い御堂筋くんが一番有利なんだよ! 』

「 そんなん知らん、ボクはロードレースにしか興味ない。 」

『 そ、そんな事言わずにさ、頑張ろうよ! 』

「 だからいやや。 」

『 ………。 』

「 ……今回だけやで。 」

『 ほんとっ!?やった! 』




 拒否されまくりでショボンとへこたれていると御堂筋くんが渋々了承してくれて舞い上がる私を見た御堂筋くんは溜息をついた後に「早くしてや」と声を掛けた。




『 はーいっ、いっくよー! 』




 ポーンッ、と空中に投げて手のひらで打って御堂筋くんに向けてやると御堂筋くんはそれを受け止める体制に入るけれど既に遅し。




「 ピッ!? 」




 バンッ、と見事額に命中し、驚いて声を上げ額を抑えしゃがみこむ御堂筋くん。トンッ、トンッと軽快に転がっていくボールを拾ってしゃがみこむ彼に近付いて顔を覗き込もうとすると押しのけられる。




「 もういやや、ボクにはできひん。 」

『 ううん、もう少し頑張ろうよ!私が教えてあげる! 』

「 ……もう少し、だけやよ。 」

『 うんっ! 』




 額を摩りながら渋々立ち上がる御堂筋くんを見てから目の前にたって基本の形を教えようと彼の両手を掴む。




 暖かい、体温が直接伝わってくる。生きている、証だ。思わず見上げると此方をじっと見つめる彼の瞳と視線がかち合った。




 すると御堂筋くんが顔を近づけてきて、キスされると思い目を咄嗟に瞑るとプププッと言う何時もの可笑しな笑い声が耳に入ってきて目を開けてぽかーんと口を小さく開けて惚けてしまった。




「 キス、するとおもたん?プププ、単純やなァ、ナマエは。 」

『 べ、別に思ってなんかないよッ!! 』

「 放課後までお預けや。 」

『 え? 』

「 別に、なんでもない。 」




 慌てて否定する私にぽそりと呟いた言葉は聞こえなくて聞き返すと「 秘密や。 」とシラを切られてしまう。




 もう、何なんだと彼の意地悪さに頬を膨らませていると御堂筋くんが屈み、耳元でぼそりと囁く。




「 放課後、楽しみやなァ。 」

『 み、御堂筋くんの馬鹿ぁっ!! 』




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  これまた過去ログ。確かピクシブイラストを見て考えたものだったような…。




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