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フェリドさんとアリアさん




  ※ 長編オリキャラネタバレあり
 (フェリドさんとアリアさんの雑談)



 夜中、自室でベッドの上では本を読んで寛いでいるアリア、そしてソファーの上に座りグラスに入っている血を飲んでいるフェリドがいた。



 横目でフェリドがベッドの上で読書をしている実の弟、アリアを見つめた。アリアは気にもせずに背中を向けると読書を続けた。



「 釣れないなぁ、アリアは。 」

「 兄さんとは違うから。……それより、最近子供連れ込んで何してんだよ。 」

「 あはぁ、気づいてたのかぁ。それは秘密。 」



 グラスを揺らし、入っている血を揺らすとフェリドはスッ、と切れ長の赤目を細めた。呆れ顔をし、アリアは本を閉じると兄であるフェリドの前にあるソファーに腰を下ろし、足を組んだ。



 置いてあるもう一つのグラスを持ち、瓶のなかに入っている血を注ぐ。赤い液体は甘い香りを放ち、吸血衝動を誘惑した。



「 甘過ぎ。……混血? 」

「 正解。流石はアリアだねぇ。 」

「 前に混血は僕の身体に毒だっていったよな。 」



 病弱な故に純血しか飲めないアリア。混血を多量に摂取すると発作を起こす。死にはしないものの、やはり理性を失った化け物になるのは嫌なのだ。



 そっと口許を袖で拭い、グラスをテーブルに置き、ゆっくりとした動作でフェリドを見つめた。赤い瞳はこちらを見つめ返すと直ぐ様手元のグラスへ行く。



「 そう言えば最近、アリアよく笑うねぇ。いいことでもあったのかなぁ? 」

「 …兄さんには関係ない。 」

「 もしかして、人間に情をもった…とか? 」

「 そんなわけ、ないだろ。 」



 見破られていた。奥歯を噛み締め、そっと席を立つ。ベッドに戻り、本を手に取った。黒い本に、白い文字で書かれている表紙。



「 必ず、僕のものに。 」



 次の日、僕はここには戻ってはこれなかった。




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