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黒子くんとポッキーゲーム





 ポキポキポキポキ




『 ………。 』




 ポキポキポキポキポキポキ




『 ………………。 』




 ポキポキポキポキポキポキポキポキ




『 ………………………。 』




 ポキポキポキポキポキポキポキポキポキポキポ




『 ダァアアアアアアア!五月蝿いよポキポキポキポキッてぇ!なに、人が読書しているのを邪魔するのが好きなの?!テツヤ! 』

「 話しかけるの遅いですよ、ナマエ。僕、ずっと話しかけてくれないかとソワソワしていたのに。 」

『 知らねェよそんな理不尽! 』

「 残念です、君ならわかってくれると思っていたんですが。(色んな意味で。) 」

『 はァ?!そんな理不尽、あのガングロにしかわからねぇy…嫌、なんとなくわかる気がする。 』

「 やっぱり馬鹿ですね。というわけで、ポッキーゲームしましょう。 」




 そう言ってガサゴソとコンビニのレジ袋の中に無造作に手を突っ込み、漁っては赤い小さな箱を取り出し、箱を開けて銀の長方形の包袋を取り出して封を開けるテツヤを見てズザザッ、と思いっきり後ずさる。




 何をするつもりだ、コイツ。ポッキーゲームってアレだろ、食べ進めていくとその、アレだ、キスするヤツだろ。




「 馬鹿でもわかるんですね。じゃあホラ、こっち来てください。 」

『 絶対嫌だ!そもそも、付き合っていないのにするとかバカだろ! 』

「 少なくとも君よりは馬鹿ではありません。では、単刀直入に言いますね。 」




 そのまま後ずさっていればトンッ、と背中が壁に触れた。テツヤが無表情のまま近づいてくるのを黙ってみることしかできなかった。




 近付いてくるテツヤの右手にはポッキーの包装袋が握られていた。え、ちょ、心の準備がッ。




「 僕は、あなたのことが好きです。 」

『 え、ちょ、それ…ムグッ?! 』




 ポカーン、と口を開けていればいつの間にか目の前にいたテツヤがポッキーを一本、私の口の中に突き入れた。




 突き入れた、と言っても喉の奥には行かずに唇を閉じた瞬間に入れて上手く挟めた、と言った方がいいのだろうか。するとポッキーのプレーンの部分を親指と人差し指で掴んだまま顔を近づけて告げた。




「 馬鹿で、どうしようもなくアホで、人の気持ちも知らないで危険な行動をとったりするあなたが、僕はバカみたいにどうしようもなく好きなんです。 」




 そう一頻り告げたあと、テツヤはポッキーを齧って距離が近づいた。ギュ、と目を瞑ればそのまま、暖かい何かが重なるのを感じて顔が赤くなっていくのがわかる。




「 好きです、付き合って下さい。 」




 私は黙ってテツヤの背中に手を回した。




『 っていう夢を見たんだよね。 』

「 僕の夢を見ないでください、気持ち悪い。 」

『 だよね、テツヤがこんなことをするはずないし。 』

「 ( 君とポッキーゲームする夢を僕も見ただなんて絶対に言えない。 ) 」





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  黒子くんとポッキーゲームしたかたっていう妄想から生まれました。お目汚しすみません!




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