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ジェハさんと晩酌




「 そう言えば、夜の営みは上手くいってるのかい。 」

『 夜のい…っ、何言って、ギガンさん! 』

「 その様子じゃ、上手くいっていないようだね。 」




 ギガンさんの突然の言葉にあわてふためく私に、ギガンさんは呆れた溜息を漏らしては煙管に溜まった灰を灰皿の上に軽い動作で落とす。




 確かに、夜の営み…と言えないほど、ジェハは私に手を出さない。夜ねるときだって私が寝る前に背中を向けて静かに寝ているし。




 私だって人間…ではないけれど生き物の端くれだ。寂しいと言う感情だって持ち合わせているし、何より触れてほしいと思ってしまうのも例外ではない。




「 そろそろ限界だろう、あの小僧だって人なんだ、色々もう我慢が効かなくなる。 」

『 我慢…?もしかして、身体に悪いものでも溜め込んでしまっているんじゃ、 』

「 吐き出さないといけないもの、か…それをアンタは吐き出させてやんないとね。 」




 緩やかにギガンさんは微笑み、煙管を再び口にくわえた。すると、何やら箱を漁っては何かを取りだし、私に向けて投げ渡す。慌てて受け取って見てみるとゴツい瓶。




『 こ、これ確か有名なお酒じゃ…しかも、一口飲んだだけで酔うとか…、 』

「 それを飲ませな、自然に我慢しているのも出る。 」




 さっさといきな、と手を払う仕草をするギガンさんを見てから苦笑を浮かべ、その場所を後にした。飲ませたらどうなるのかと考えながら帰路を歩く。




「 ただいま。 」

『 おかえりなさい、ジェハ、 』




 ジェハが扉を開けて帰ってくるのを見て駆け寄ると疲れた顔を隠して無理矢理笑顔をつくる。それを毎日見るのが辛くて、思わず背中に隠した両の手を握り締めた。




「 ご馳走さま、美味しかったよ。 」

『 それはよかった。…そうだ、ギガンさんからお酒貰ったんだけど…飲まない、かな? 』

「 船長から?じゃあ、頂くとするよ。 」




 そう言ってジェハは持ち上がらせていた腰を再び下ろすと微笑む。私はそれを見てから食器を片付け、コップと昼に貰ったお酒を手に持ち、隣に腰を下ろす。




『 はい、どうぞ。 』

「 ん、ありがとう。 」




 受け取った際に触れた指が熱くて、思わず顔が赤くなる。そして、顔が赤くなっていく私の顔を見つめるジェハの熱い視線が気にかかって顔を俯かせた。




「 ねぇ、ナマエ…久しぶりに触れて嬉しいかい? 」




 甘く、熱い吐息が耳許に掛かり、首筋には暖かいジェハの指先が触れる。びくり、と身体を震わせればジェハからクスクス、と笑う声が聞こえてきた。




 そのまま俯いていると顔をあげさせられ、口付けられた。瞬間に口内に液体が流し込まれ、離れようとするが舌を絡め取られ、飲み込んでしまう。




『 んんっ、はぁ、ジェハ…、 』

「 ねぇ、ナマエ…どうされたいかいってごらん? 」




 甘い誘惑が耳にこびりついたまま離れず、下から見上げると妖しく微笑むジェハと目が合う。お酒の酔いのせいか欲望のままに口ずさむ。




『 ジェハに愛されたいの、ずっと、傍にいたいの…、 』




 妖しく微笑むジェハの唇に噛みつくように口付けた。舌を絡め合わせ、離れると互いの唇を銀色の糸が繋ぎ、切れる前にジェハの唇に噛みつく。




『 んんっ、ジェハ、ぁ…っ、 』

「 予想以上の食い付きだね…。 」




 後頭部に手を回され、ジェハから舌を絡め取られれば吐息を押さえられず、小さく漏らした。小さくリップ音を響かせて離れていくジェハの唇。




『 あ…っ、ジェハ、んっ…、 』

「 愛しているよ、ナマエ…、 」




 床に押し倒され、前の着物をはだけさせられる。首筋に吸い付かれ、びくりと身体を震わせてジェハの首に手を回すと静かに口付けを施される。




「 ナマエ、ずっと一緒にいよう。 」





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  変態ジェハさん。お目汚しすみません!




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