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酔い潰れたハクの介抱




『 ハク、迎えに…、 』

「 あ、奥さんか?ハクの野郎、飲み過ぎて酔い潰れちまってよ! 」




 ハクに昼間、夜中に迎えに来てくれと頼まれ夜中二時半にハクが行った花見の場所へと向かった。




 花見の場所には男性達がお酒を飲み合っており、その側にある桜の木の下にはハクが無防備な姿で寝ていた。




『 ごめんね、連れて帰るから続けてて。 』

「 そうかい?あ、そう言えば阿波の生活には慣れたか? 」




 全てが終わり、ハクと私は阿波に棲むことにした。食物も豊富で、食生活には困らないのだがハクは毎日ギガンの元に行ってはこき使われて疲れて帰ってくるのだ。




『 まぁ…取り敢えずは…じゃ、ハク連れて帰るね。 』

「 おう!襲われないようにな! 」




 不吉な言葉が飛び交ってきたが頭を降って忘れ、肩にハクの片腕を回してゆっくりと歩き出す。時折漏らす寝言を聞きながら帰路を歩きながら欠伸を噛み締めた。




 家につき、ハクを予め敷いておいた布団に寝かせてやり、一端離れて台所に行けば硝子のカップに水を汲んで再びハクの元に戻る。




 取り敢えずは飲まそうと上半身を起こそうとした瞬間、後頭部を掴まれ引き寄せられた。




『 ちょっと、ハク…っんん、 』

「 ん…なぁ、水口移しで飲ませてくれよ。 」




 ハクの急な爆弾発言に目が点になった。お酒のせいで頬がほんのり赤く染まり、時折唇から漏れる吐息は熱く、今まで見てきたことがないハクの恍惚とした表情を見て此方も毒気にやられた気分になる。




『 でも、 』

「 っ、どんくせぇな… 」

『 んぐっ…っ、 』




 腕を引かれて一瞬の内に身体の位置が変わった。目を開ければ硝子のカップを口にしているハクの姿と天井が見えた。ハクは此方を見たあとにカップを置き、私の口に噛みつくようなキスをしてきた。




『 んんっ、は、ぁ…ハク、んっ、 』

「 ん…っ、は、 」




 流れ込んできた水を飲みきれず、口端から漏れて顎を伝い、首筋に垂れていくのをハクは見逃さずに一端口を離し、舌舐めずりをした後首筋を舐めあげる。




『 んあっ…っ、やだ、ハクッ、 』

「 うるせぇ、溢したアンタが悪いんだろ…っん、」




 ぴちゃり、ぴちゃりと耳を塞ぎたくなるような厭らしい音が耳に響き、ハクが首筋を舐める度に身体の奥が疼くような感覚に襲われる。時折はぴくり、と背中が浮く。




「 なぁ…俺、アンタとの子供が欲しい。 」

『 ハク…、 』

「 アンタと、幸せな家庭を築きたい。 」




  ハクの言葉に嬉しさが沸き上がるのを感じて涙が溢れ出る。泣く私にハクは苦笑を浮かべて涙を拭ってくれた。一頻り泣き終わるのと同時に微笑みが浮かばれ、自然に口が動く。




『 私も、ハクとの子供がほしいな。 』

「 …っ、反則だぜ、そんな表情は。 」




 首筋に腕を回し、引き寄せるとハクは唇に噛みつくようなキスを落とす。舌を絡め合わせ、離すと銀色の糸がプツリと切れる。そっと見つめ合うとハクは告げる。




「 アンタに出会えて、本当に良かった。 」

『 私も、ハクに出会えて良かった。 』





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  久しぶりに作成した短編。ハクの酔い潰れた姿を想像して書いてみました。お目汚しすみません。



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