『 如月、赤坂、桃山、色崎。…全員揃ってるわね。 』

「 主、怪我は。 」

『 大丈夫よ。作戦をまず話すわ。…今回、また視察として私の部隊が駆り出されたのは理解してるわね。 』



 私の言葉に皆が頷く。前回のことを思い出したのか皆は緊張した雰囲気を出していたが私は愉しそうに笑みを向けた。



『 まず、色崎はここから出たら鬼呪装備を使ってトラップを仕掛ける。桃山は鬼呪装備でヨハネの四騎士を誘きだし、一先ず雑魚狩り。 』



 ここ、とは今の現在地であるビルの中。もうここはすでに視察場所の一部であり、もう襲われても文句は言えない。



『 ここで注意しなきゃいけないのはヨハネの四騎士だけを誘き寄せなきゃいけないこと。…もし、吸血鬼まで誘き寄せてしまっては意味がないの。 』

「 そこは気を付けます。 」

『 そして、誘き寄せられたヨハネの四騎士はワイヤーに引っ掛かり消滅。赤坂と私は奥に進み、吸血鬼の雑魚狩り。そこで如月が援護に回る。 』



 簡易な作戦を話、私は如月を見つめ、如月は私を見つめ返す。気が滅入るような緊張した雰囲気に皆が息を飲んだ。



『 今回の指揮は如月に任せる。 』

「 …了解した。ならリーダーは私に従ってもらう。 」



 今回も貴族級がいるかもしれない。そんな考えが浮かぶ最中私は如月の言葉に頷いた。ネックレスを引きちぎると鬼呪装備へ変化する。



『 任せたわ、如月。 』

「 嗚呼。…作戦を決行する!配置につけ。 」



 その場から駆け出し、私はビルから出た直後赤坂と奥へ進んでいく。太刀を肩に担ぎ、同様に肩に斧を担ぐ赤坂。



 進んでいくに連れてどんどん寂れていく。可笑しいと感じ、立ち止まると所々に影が射す。私のところにも影が射すと上を向き、吸血鬼を確認して上からの重い初太刀を受け止めた。



『 如月!数人の吸血鬼と遭遇した、体勢を整える暇がない! 』

「 こちら援護に回る。ヨハネの四騎士を片付け次第色崎達を向かわせるから耐えてくれ! 」

「 如月、援護に回るなら上からくる吸血鬼を殺してくれ! 」



 一撃を受け流し、吸血鬼の首を切ることを繰り返していれば横からくる攻撃を避けるも刃先が頬を掠め、少量の血が流れる。それを拭う暇もなく太刀を構えた。



『 はぁあああああッ! 』

「 ッぐ!くそッ、 」



 太刀を横に斬り込ませ、消え行く吸血鬼を他所に上からの攻撃を受け止める。重すぎるその一撃は生身の人間が食らったら一瞬にしてあの世行きだ。



『 赤坂ッ! 』

「 リーダーッ! 」

『 上のやつは粗方片付いたと思っていい。このままだと埒があかない。 』



 背中を合わせ、斬りかかってくる吸血鬼を刺し殺し、話を進める。埒があかないと愚痴を溢せば乾いた笑いが帰ってくる。嗚呼、楽しげな。



「 It begins ! Are you ready ? 」

『 え、ちょ、まッ! 』



 綺麗な発音の英語が聞こえたと思えば急いで背中を離れ、赤坂はそれを確認せずに斧を地面に降り下ろし突き刺す。



「 __咲き乱れるまでの囁きを告げろ、騎汝鬼。 」



 赤坂の背後に大きな黒百合が現れ、中が膨らんでいた。吸血鬼は狼狽え、たじろぐ最中言葉が次々と発せられていく。そして___diezと放たれた直後、赤坂は不気味に笑う。



「 騎汝四肢刺ッ! 」



 花が一面に咲き乱れるかのようにコンクリートが槍のように鋭くなり、次々と吸血鬼を串刺しにしていく。満足げに笑う赤坂は鬼呪装備を担ぎ、私の腕を掴むと走り出した。


もっと本気出していいよ
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