「 こりゃヤバいね…ッ!赤坂、薬まだ飲んでないよね。 」

「 嗚呼。…如月の指示を待ってる余裕なんてないな…ッ! 」



 前方では吸血鬼と対峙しながら背中を合わせて共闘する赤坂と色崎。二人共すでに息を乱しており、薬すら飲んでいない身体は既に限界を超えていた。



「 っと、ここより前はいかせるなって指示なんでね。…キーさんッ! 」

「 ご苦労、色崎。 」



 目の前に迫ってきた剣を力をこめて空中へ弾くと直ぐに後退し、大声で合図をすると目の前にいた吸血鬼は蜂の巣に。



 ビルの上を見ると余裕の表情を浮かべ、回りに十数とある銃達を出現させている如月と目が合い、頷き合う。



「 _____! 」

「 あ、赤坂ッ!? 」



 赤坂は視界に入った銀髪の男へ目を向けた。あの時に、会った男だと直ぐにわかると斧を担ぎ、許可もなく薬を一錠口に含むと飲み込み、走り出す。



 数秒たち、力が溢れてくるのを感じた赤坂は地を蹴り、一気に間合いを詰めた。思いっきり斧を振り上げるとにィ、と笑みを浮かべた。



「 久しぶりだな、銀髪。 」

「 あはぁ、あの時いた黒髪くんだ。」



 銀髪の吸血鬼ことフェリド・バートリーは思い斬撃を剣で受け止め、笑みを浮かべた。片手で悠々と受け止めるフェリドに赤坂は奥歯を噛み締め、怒りを抑えながら質問をした。



「 リーダーの行方を知ってるだろ。 」

「 何のことかサッパリわからないなぁ…? 」

「 ほざけ…ッ!! 」



 又々力を込めるとフェリドの目が揺らいだ。人間では有り得ない力を感じたからだろう。笑みを深め、斧を弾き返すと即座に赤坂の首を掴み、足元に押し付けた。



「 そんなに知りたいのですか? 」

「 俺達のリーダーだからな。 」

「 あはぁ、だってさぁ。 」



 ___ナマエ。



『 _____死ね。 』



 赤坂の首を掴むフェリドの腕に鋭い斬撃が走った。スパンッ、と切られたフェリドの腕は直ぐ様フェリドがキャッチし、その場を離れ、悠々と話をした。



『 仲間に手を出さないで。 』

「 あはぁ、悪かったよ。僕の敗けだ。 」

『 ふざけな…っ、 』



 貧血が治っていないのかふらつく足元をナマエは必至に堪えようとした。が、やはりここまで来ることまでが限界だったようだ。へた、と座り込むと目眩がする視界の中、赤坂を見つめた。



『 ご苦労さま、赤坂。 』

「 り、り、リーダーッ! 」



 ばっ、と引き寄せられるのを感じたナマエは抱き締めてくる赤坂の背へ手を伸ばし、あやすように撫でてあげると穏やかに言葉をかけた。



『 ありがとう。 』


鮮やかな箱庭
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