「 あーあ、きっと辛いだろうね。 」

「 少し重めのを掛けた。が、黒鬼装備持ちだ、解けるのも時間の問題だろう。ワイヤーをとけ。 」

「 はいはい。それより、キーさんとリーダーからの連絡がないね。 」

「 …苦戦しているかまだ遭遇していないんだろう。 」



 倒れている君月と与一を目の前にして桃山と色崎は各々話を口にした。君月と自身の回りに張り巡らされているワイヤーを指摘されては鬼呪装備を解く。



「 残り三人は如月と赤坂、主に任せるとしよう。二人が起きるまで残るぞ。 」

「 うん…さっきから嫌な予感してるし…。 」



 色崎は辺りを見渡す。が、やはりなにもいない。二人を端に寄せ、壁に寄りかかると曇り空の空を見上げた。



「 ど、どこにいるんだ…?! 」

「 落ち着いてください、みっちゃん!きっとビルの上にいるはず…! 」

「 ご名答。 」



 背を会わせている三葉とシノアの遥か上、ビルの屋上から凛とした声が響き渡る。二人が見上げるのと同時に如月の着ている黒い外套が下からくる風によって靡く。



「 …邪魔する奴等に狙いを定めろ、虎眈鬼王。 」

「 な、なんだあれは…! 」

「 みっちゃん!まず逃げましょう! 」



 十数と現れた銃に三葉は驚く。途端に全ての銃が二人に牙を向き、速やかに排除されるかの如く発砲を繰り返した。



「 させない。…虎眈鬼王。 」



 十数とある銃を回りに如月は振り上げた手を軽く降り下ろす。すると如月の背後に巨大な赤い目が出現し、それを取り囲むかのように無数の小さな目も現れ、二人を見た途端に銃身はそちらを向く。



「 っ…!みっちゃん、一旦ひきま 」

「 し、シノア?! 」



 三葉を見た途端、背後から銃で撃たれたシノアは倒れ、三葉は驚く。そして降り注ぐ弾丸に三葉は後退するも足に弾丸が当たり、途端に倒れる。



「 …さて、と。麻酔効いたらしいし…こちら如月、二人の対象者を鎮圧した。 」

「 了解。それより、赤坂とリーダーの姿が見えないんだけど…。 」

「 赤坂は今百夜と対峙中だ。リーダーは先程連絡入れたっきりそれからなにも。 」



 インカムを通じて二人の行方を確かめる如月。回りにある銃に触れると無数の目達は消え、銃も消えていく。一つのスナイパーになると如月は背中に背負い、ビルから階段を使って降りていく。



「 …リーダー。 」



 アンタは、何を考えているんだ。


騙した日々を
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