▼ この身を焦がす




『 おはようございます、正太郎さん、シロさん。 』

「 おはよう!ななし! 」

「 よく眠れたのか? 」



 寝室から出て正太郎さんがいるであろう古書店へ姿を出す。襖を開けると椅子に座って片手に本を持って読んでいる正太郎さん。



 私の所へ来ては元気よく挨拶をしてくれるシロさん。くす、と笑みを浮かべると頭を撫で、正太郎さんの質問に頷く。



「 傷、まだ痛むか? 」

『 いえ、適切な処置ありがとうございました。 』

「 正太郎、顔赤い。 」



 少しだけ赤い頬を見ると顔を逸らされてしまう。…何かしてしまったのだろうかと考えてみると素肌を見られてしまったことを思い出す。



 お互いに黙り合う最中、私はシロさんが差し出してきた手紙に首をかしげ、礼を言ってから受け取り、中を拝見。



『 斬島さんからだ。……え、 』



 中を見てみると佐疫さんが任務先で負傷したとのこと。他にも負傷した者がいることなどが書かれていて、私は困惑する。



 代わりに任務を出てほしい、と言う言葉の文章に溜息を吐く。佐疫さんや斬島さん達が負傷したくらいだ、きっと強い怪異なのだろう。



『 正太郎さん 』

「 ? 」



 ___留守番、頼みました。そう告げると戸惑いがちに頷いてくれた。友人、か分からないけど、いい友達をもったな。




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