谷裂先生







 田噛先生の授業が終わり、教室でゆったりしていると皆が一斉にいそいそと体育着に着替え始めた。嗚呼、次は谷裂先生の授業か。






 のろのろ、と着替え終わると出席簿を手にグラウンドへと集合する。あ、時間ぴったり。谷裂先生はバットと野球ボールを準備していた。






 確か今日は男女混合のソフトボールだったっけ、かったるいなあ。だったらまだ田噛先生と数学やっていた方がましだな。






「 各自準備体操を済ませておけ、いいな。 」




『 うぃーッす。 』






 いち、に、さん、と声を出しながら準備体操を進める。あ、やっぱり皆身体柔らかいな…羨ましいや。準備体操を終えると谷裂先生の前に全員が並ぶ。






「 よし、今日は男女混合のソフトボールをする。 」




『 じゃ、二チームに分かれて。丁度休みもいないし、三十人ぴったりだから十五人ずつ。 』






 ぺらぺら、とチームの人数や一チームに入る名前を言っていくと皆はそそくさと言ったチームに並ぶ。うわお、素晴らしき従順さ。感心するね。






「 では、打ち方の手本やコツを教えるから見ていろ。 」




『 谷裂先生、 』






 ( 棍棒じゃなくてバットにしてください。 )







 学級日誌 08 / 31 ( 月 )






 記入者名 : 名前






 開始時刻 : 13 : 55 〜 14 : 45






 授業担当 : 谷裂先生






 授業科目 : 保健体育






 授業場所 : グラウンド






 授業内容 : いつもどおりの真面目な授業でした。ですが、棍棒を持っていたので授業中には使用しないと誰か口を酸っぱくしていっておいてくれませんか。それと、個人的なお願いなのですが、谷裂先生目付き柔らかくしてください。皆威圧感感じて授業所じゃないそうですまるで人が塵のようだ。






 記入時刻 : 14 : 50








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