平腹先生
家庭科の斬島先生の授業の終了の鐘がなり、私は出席簿を斬島先生から受け取るといそいそと教室に戻っていく。次の授業の担当の先生は平腹先生だ。
教室につくと私はロッカーに家庭科の教科書をしまい、美術の教科書をロッカーから取り出した。出席簿を抱え直し、美術室に向かった。
ガチャリ、と音を立てて扉を開けると黄色い目が私を写した。相変わらず猫みたいな目付きだなあ、と考えつつ出席簿を置き、席につく。
「 なぁなぁ! 」
『 なんですか、平腹先生。 』
名前を呼ばれると私は伏せて寝る体制になっていた頭を上げると至近距離に平腹先生の顔があり、黄色の瞳に吸い込まれそうだった。
顔を離れさせるとなんですか、と聞く。すると取り出してきたのは黄色い小さなリボンが付いたヘアピンだった。そっと握らされて一言言われた。
「 これ、プレゼントな! 」
『 私の誕生日、明後日ですけど…まぁ、ありがとうございます、平腹先生。 』
うっすら笑みを浮かべると頭に手を置かれ、わしゃわしゃと頭を撫でられた。あーあ、髪がぐしゃぐしゃだ。まぁ、いいかな。
「 授業始めるぞ! 」
すると取り出したのはスケッチブックだった。もしかして、今日は真面目に授業やってくれるのかも…!と思ったのも束の間、平腹先生はペンキを取り出すと、
「 芸術は爆発ッ! 」
( 先生それ黒板。 )
学級日誌 08 / 31 ( 月 )
記入者名 : 名前
開始時刻 : 10 : 55 〜 11 : 45
授業担当 : 平腹先生
授業科目 : 美術
授業場所 : 美術室
授業内容 : 芸術は爆発ッ!
記入時刻 : 11 : 50
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