斬島先生







 一時限目が終わり、一時限目の全校集会の内容を書き終えた私は次の授業の準備に取り掛かった。次の授業の担当の先生はあの真面目な斬島先生だ。






 寝ていると必ずや起こしてくるから私の睡眠の敵でもある。私の睡眠時間は15時間は取らないとやっていけない。何で早く寝ないのかは想像にお任せしよう。






 階段の手摺を掴み、ちんたら歩いていると階段の終わりが見えてきた。これを上りきったらとうとう家庭科室かぁ、かったるいなあ、寝たいなあ。






『 失礼しまーす。 』






 ガラガラ、と引き戸を開けると声を掛けた。すると生板やら包丁やら用意していた斬島先生と視線が合い、反射的に私の頭はお辞儀をした。






 授業開始の鐘がなると皆は一斉に着席をした。私も釣られて着席をすると斬島先生はゆっくりと出席簿を手に取ると名前を読み上げながら出席状況を記入していく。






「 名前 」




『 はい。 』






 名前が呼ばれ、返事を返すと記入する斬島先生。皆の名前を呼び終え、出席簿をぱたん、と閉じると机に置き、黒板に材料名と作り方を書き始めた。






 どうやら今回は魚を捌いてから焼いて食べるらしい。うわ、めんどくさいと思いつつも話を頭の中にいれる。捌くのは初めてではないが聞いておかねば成績に関わる。






「 各自、俺の捌き方を見てから行うように。まずは、包丁を用意し…、 」




『 先生、 』






 ( それ、包丁じゃなくてカナキリです。 )






 学級日誌 08 / 31 ( 月 )






 記入者名 : 名前






 開始時刻 : 09 : 55 〜 10 : 45






 授業担当 : 斬島先生






 授業科目 : 家庭科






 授業場所 : 家庭科室






 授業内容 : 至っていつもの真面目な授業でした。皆は斬島先生に注意されないようにか黙っていて、斬島先生は自分に注意されるのが嫌なのだと分からずに、感心した様子で淡々と授業を進めていました。そして包丁ではなくカナキリで魚を捌こうとした時にはクラス生徒全員で止めにかかりましたが時既に遅し。恐るべし斬島先生とその愛刀カナキリ。素晴らしいコンビネーションでした。でも、カナキリで毎回食材を切るのはやめてください。食べる気失せるので。






 記入時刻 : 10 : 50








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