《 十年後の私へ 》
「 ナマエ! 」
『 ジェ、ハ…、 』
愛しい男の声に、ナマエは弾かれたように顔を上げた。そこには、変わりのない優しい柔和な笑みを浮かべている、ジェハの姿があった。
ナマエは走り出し、ジェハへと抱き着いた。優しく受け止めてくれるジェハの身体を強く抱き締め、そして顔を上げると微笑み浮かべるジェハ。
「 頑張ったね、ナマエ。 」
『 君もね、ジェハ。 』
ふふ、と額を合わせて二人は笑いあった。それを微笑ましく見るヨナ達はそっとその場を後にした。ハクはすこし苦笑を浮かべていたが、愛しい女の将来を思うと自然と笑みが溢れた。
『 ジェハ、言いたいことがあるんだ。 』
「 奇遇だ、僕もだよ。 」
二人は笑い合い、額を合わせたまま同時に呟く。
『 「 愛してます 」 』
拝啓、10年後の私へ
今がもし幸せなら、あの日の私のことを思い出してくれますか?
そこには辛いことに泣いた私がいるけど、その涙を優しく思い出に変えてください。
貴方の隣にいる、誰かを愛してね。
___ E N D ___
2015 / 07 / 26 / Sunday.
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