《 愛という名の猛毒 》









『 ん――ッ、此処は…、 』



「 起きた?…ごめん、抑えられなかった。 」





目が覚めると白い天井に、苦笑いを浮かべた黒龍の顔が視界に入った。ナマエは身体を起こそうとするがミンヒョクがそれを止め、まだ寝ているようにと言い、ベッドの淵に腰をかけて大きな手のひらでナマエの頭をぽんぽん、と撫でる。





『 黒龍、一つ聞いていい…? 』



「 ん、なぁに? 」





そっと頭を撫でながらミンヒョクは柔和な笑みを浮かべてナマエを見つめた。ナマエは頭を撫でている手をそっと掴んで両手で包み込むと話を続けた。





『 何で黒龍は血を吸うの?血液なんか美味しくないでしょ。 』



「 …俺は体内で血液毒を生成しているんだ。体内の血液の半分が毒で、全て毒に変わったら死んでしまう…だから、他人から血液を貰うしかないんだ。そして貰う代わりに、快楽を与えるように仕組まれてる。 」



『 そう…と言うか、まだ指先が痛むんだけど。 』



「 ここには声龍を人間並に弱らせる為の虚石が各部屋に設置されてる。…君が俺から逃げないと約束するなら――、 」





ギシリ、とスプリングが軋む音が部屋に響く。いつの間にか両手首はベッドに縫い付けられるように抑えられており、目の前には怪しげな笑みを浮かべて此方を見つめている黒龍と視線がかち合う。一瞬、黒龍の目に戸惑いがチラついたのは気のせいではないのだろう。





「 君を弱らせている虚石を全て撤去してあげる。 」



『 …それで、私に君の餌になれと? 』



「 別にそんなこと言ってないでしょ。 」





すぐ返ってきた返事に心の中で少し笑ってしまった。そして静かに口元を歪めては告げた。





『 いいよ、約束してあげるよ。 』





ミンヒョクはその返答に微笑むと躊躇せずに小さな唇に噛み付くように口付けをした。









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