《 黒龍と声龍 》







――とある自室の中で、男女が交わっていた。





「 んッ、はぁ…ミンヒョク様…ッ、 」



「 お前は綺麗な声で啼くな…そんなに気持ちいいのか? 」



「 は、いっ…、ミンヒョク様、もっと…、 」





布団の上で女性は裸体を晒しており、ミンヒョクは服を脱がずに愛撫を施していた。始めは満足そうに女に愛撫を施していたが小さく啼く女に満足感は消え、身体を離すと女は離れていく快感に思わず手を伸ばす。





「 ……飽きた。 」



「 み、ミンヒョクさッ、 」





女がミンヒョクの名前を呼んだ瞬間にブシュッ、と赤い液体が舞い、女の嫋かな四肢は自らの血で染まった赤色の布団に身を沈め、痙攣してから生き途絶えた。ミンヒョクは銀色の刀身についた女の血液を一舐めし、呟く。





「 声龍は俺にどんな声で啼いてくれるんだろうな。 」





そう呟くミンヒョクの目は獲物を狙うような目付きをしており、喋る度に鋭利に尖った八重歯がチラチラと見え隠れした。刀の血を振り払い、鞘に収めると女の裸体の上に投げて置き、部屋を後にした。





声龍は、元は俺の婚約者となるはずだった。けれど、会いに行ったらあの声龍は偽物と言う事だったらしく、期待はずれだった。俺には黒龍の血が流れていて、先祖の黒龍は声龍と婚姻を結んでいたが声龍が封印され、そのまま朽ち果てて他の女龍と婚姻を果たしたらしい。





俺が声龍に拘る理由はただ一つ、先祖が死ぬまで想い続けていた声龍はどんなのかこの目で確かめたいがだけ。現在、声龍は俺の監視下にある。何故居場所が分かるのかと言うと、偽物の声龍に本物の声龍の特徴を教えて貰ったからだ。





顔は見ていないと言われたときは困ったが長髪の暁のような髪をしていると言われて監視兵を張り巡らせ、声龍を見つけることに成功した。声龍を監視している兵から、今声龍は廃町に向かっているらしい。





「 四龍と離れたのか…やはり、内側は子供か。 」





予想通りに事は進み、四龍から自ら離れ、行動した。もう少しで声龍が手に入ると考えたら口元が自然につり上がってしまい、口元を右手で覆い隠す。





「 遊戯はもう少しで終盤に入る。それまで足掻くといいさ、声龍。 」





もう少しで手に入る。それまで遊ばせてあげるよ。





――声龍。









 / 


[ Back To Top . ]




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -