私が風紀委員に入る時、彼は
「僕に絶対服従を誓う?」と訊ねてきた。
No.と言ったら彼は「ふうん」と短く言うだけだった。
それから1年経って、彼はボンゴレというマフィアの雲の守護者になった。
私は相変わらず自由気儘に風紀委員をしている。
「お前ファミリーに入らねぇか?」
スーツを着た赤ん坊にそう言われたのは最近の話だ。
「赤ん坊、僕の下僕を勧誘しないでくれるかい?」
委員長の言葉にいつから下僕になったんだと言いたくなったがやめた。
草壁みたいに委員長に忠誠を誓うなんて私には無理だ。
まだまだしたいことがいっぱいある。
だけど、
「暫く並盛に戻れないから」
卒業式の日、委員長から出た言葉は信じられないもので、草壁は草壁で分かった様に返事をしていて、
委員長が並盛を離れるただそれだけのことなのに私は激しく動揺して。
「委員長、私…」
「自分の生きたい様に生きなよ」
恐らくそれは委員長なりの別れの言葉で、突き放されるのはいつものことなのに何故か悲しくて
「委員長、私も委員長について行ってもいいですか?」
初めてこの人について行きたいと思った。
「マフィアの一員になるつもり?」
「いえ、私はあくまで委員長の部下です」
クスリと笑ってそう言うと委員長もクスリと笑った。
「じゃあ、宜しく」
そう言って手を差し出してきた委員長に私は忠誠を誓った。
今なら私は誓える
(私は彼以外の人間に従うなんて絶対無理だ)