「出て行けよ!」

「そうだ、俺らの姫をいじめる奴は許さない!!」

無数に飛び交う罵声。

避けきれない拳。

ボロボロな体。

血まみれな自分。

そして、玉砕していくたくさんの大切な物。

**

「すみません、雲雀先輩。またやっちゃいました。」

私は笑いながら体を引きずり、応接室に入った。
そして思った通りに彼がいた。

「君、また沢田綱吉達にやられたのかい?」
彼は綺麗な眉を顰め、不満そうな口調で私を睨んだ。

「仕方ないですよ。あの人に騙されてるだけですから。」

私が再び無力に笑うと、雲雀先輩は暫く黙ってしまった。

そして無言のまま強い力で私をソファーに引っ張り、用意した救急箱を取り出し、私の手当をし始めた。

「ありがとうございます。」

私が小さな声でそう呟くと、彼は無表情に顔を上げ、そして――

「仕方ないね。次から僕が守ってあげるよ。」

――最後に残った物は

貴方だけでした。

(まあ、それも悪くないかもね。)
 




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -