「ねぇ、シズちゃん!明日どっか行こうよ!!」
「な、何だよ急に...それに、お前仕事あんだろ?」
「それが、たった今携帯に連絡あって無くなったの!!」

恋人という関係にある折原臨也と平和島静雄は、臨也の住んでいる新宿の高級マンション最上階にて突然訪れた休日の話で盛り上がっていた。

「シズちゃん行きたい所とかある?遠いところでもいいよ!車は俺が出すからね!」
「そんな、突然言われてもな...臨也は行きたい所ねぇのか?」
「俺はシズちゃんと居られれば何処でもいいの!」
「お、俺だって臨也といられれば別に...んっ」
「シズちゃんかーわいいっ」

臨也の言葉に照れながらも返せば、壊れ物を扱う様に優しく抱きしめられ、単純な恥ずかしさから下を 向いてしまった。

「んっ、シズちゃんいい匂いする...」
「嗅ぐなよ変態っ!」
「だめ、暴れないで」

静雄の胸元に顔を埋め、すんすんと匂いを嗅ぎ感想を述べれば、静雄は耳まで赤くさせ慌てて臨也から離れようとするがより強く抱き寄せられてしまう。

「臨也...」
「明日さ、普通にドライブしようか」
「うん、ふぅっ」

欲に濡れた熱い視線が重なれば自然とどちらともなく唇を合わせ寝室に向かった。

翌朝、セットしておいた目覚めし時計の音で臨也は起きた。目をこすりながら横を見れば無防備に寝息をたて、少し開いた口からは赤い舌を覗かせている、静雄の寝顔が目に入り思わず唾を飲みこんだ。

「シズちゃん、起きて」
「ん...やだ」
「朝だよ、お出掛け しないの?」
「する...眠い」

もぞもぞと布団の中で寝返りをうち、臨也に背中を向け再び規則正しい呼吸が聞こえる。その態度すらも愛しく、先に朝食を作っておこうと思い、体を起こしベッドから出ようとすると服の裾が何かに引っ張られた。不思議に思い、振り返れば背を向け寝ていた筈の静雄と目が合う。

「シズちゃん、起きた?」
「今、俺の事置いて行こうとしただろ」
「え?」
「ちゃんと起きるから俺も連れてって」
「違うよ朝ご飯作ろうと思って、シズちゃんをおいて行くわけないでしょ」

良かった、と微笑みながら枕に顔を埋める静雄の上に覆い被さり寝癖で見え隠れしている項へと舌を這わた。

「変態おやじみてぇな事してんなよ、ばか」
「酷いっ!」

それから準備を整え、何処に行く訳でもなく車を走らせた。幸いにも天気には恵まれとても居心地のいい、いかにも春、と言うのにふさわしい温度である。

「なんかこうやってのんびりドライブするのとかもたまにはいいね」
「だな...」
「シズちゃん、まだ眠いでしょ?」

素っ気ない返事しか返って来ないので助手席に座る静雄を見てみれば案の定動きの遅い瞬きを繰り返す姿があった。

「だってこんなに天気良いし、起きたばっかだから...!んぅっ、ふ、ぁ、いざ、んっやめ」
「っは、だってまた寝そうなんだもん」
「だからって、もし誰かに見られたら...」
「関係ないよ」

都合良く信号が赤になったのをきっかけに油断しきっている唇に、まるで情事中を思わせるかの様な深 く濃厚なキスをした。予想通り顔を真っ赤させ今にも飛びかかりそうな勢いで、運転席に向き直るが、臨也が意外にも真面目な顔つきだったので少しだけ申し訳ない気持ちになる。

「せっかくドライブしてるんだからさ、外見たりしなよ」
「おう」
「それと、俺の相手もして!二人っきりになんて、中々なれないんだから!」
「悪かった」
「何で笑ってるの?」
「別に?」

信号が青になり再び走り出した。運転している臨也の横顔が心なしかしょげていたので子供の様だと静雄は笑ってしまったのだ。

「次のパーキングエリアで少し休もうか」
「うん、そうする...臨也運転疲れた?」
「大丈夫だよ、シズちゃんと一緒だから楽しいし」
「あっそ」
「シズちゃんは楽しい?」
「うん」
「恥ずかしがってるシズちゃんかわいい「あっ!!!!タヌキ!!「え!!?」

照れてしまっている静雄の頭を撫でようとしたその手は、静雄の声に反射して急ブレーキをかけたため静雄の腹部に支える様に当てられた。

「シズちゃん...あれ紙袋だよ...ってか良く考えれば高速にタヌキとか居ないよね!?」
「...何やってんだよ」
「え?」
「手!よけいなことしてんじゃねぇ」
「あー...はいはい、ごめんね」
「んっ、な、撫でんな!」

シートベルトはしているが、咄嗟に出た自分を思っての臨也の行動に、素直にお礼が言えずつい憎まれ口を叩いてしまう。それに後悔したと同時に、心を見透かした様にさっきできなかったのもあり、臨也は宥める様に頭を撫でた。

「あ、見えてきた」
「本当だ、あ!アイス食べたい」
「うん、ちょっと待ってね、今車止めるから」
「っ!」

看板を見つけ、駐車場に入れば早々にアイス売り場が目に入ると静雄は一気にテンションが上がり、臨也の方に向き直った。だが、調度バックで駐車しているところで、片手を助手席に回しながらいつになく真剣な顔をしていた臨也に不覚にもかっこいいと思ってしまい、その上、大きく開かられた体にまるで抱きしめられているような 錯覚に陥り鼓動が速くなる。

「じゃあ、降りようか」
「臨也、さっきはありがとう」
「ん?俺何かしたっけ?」
「別に!!はやく、アイス!」

気を紛らわす様に、急ブレーキのことで今更ながらのお礼を言えば、不思議そうな顔を向けられ、やはり慣れないことはするものじゃないなと内心思いながら逃げるように車から降りた。臨也は、恋人の珍しい言葉に戸惑ってたが自分を置いてアイス売り場に行ってしまう後ろ姿を慌てて追いかけた。



END
(臨也、今度は海行きたい)
(水着にならないなら良いよ)
(何でだ?)
(シズちゃんの裸を見て良いのは俺だけだから)
(...ばか)


−−−−
「It's a showtiMe!!」の美散様から相互記念に頂きました!
予想以上に折原がイケメン過ぎて…!!この折原だったら静雄へのセクハラも許せるぐらいにはイイ男ですね(*´`*)ムフフ///
とにかく二人がリア充すぎて私の顔面が崩壊しかけました^^
美散様本当にっ本当にありがとう御座いました!!
此れからもよろしくお願いします!(*´∇`*)

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