きらい、って言ったら、君があんまりにも悲しそうな顔をするから。奇しくもその時人生で初めて、好きな子をいじめたくなる男の気持ちがわかってしまった。案外俺も子供っぽいとこあるんだなぁなんて考えながら、溢れる涙で濡れた睫毛に口付けた。「こんな俺でも愛してくれる?」
 
(120810/高尾和成)