「那月くんの髪は月の色だね」微笑む彼女の柔らかな頬に、長い睫毛の影が落ちる。「なら、あなたは僕にとって太陽ですね」まあるく開かれた瞳に、楽しそうな自分の姿が映る。「仕草や声や温もり、あなたの全てに、こんなにも焦がれているんですから」真昼の見えない月だって、いつも太陽を想っている。

(120325/四ノ宮那月)