ONE PIECE | ナノ


イチバンメ(ルフィ)




成績イマイチ。運動神経抜群。喧嘩っ早いけれど、人情味溢れる笑顔が似合う人間。それが、モンキー・D・ルフィという人だった。一年D組である彼は入学早々、「アルビダ」先輩をののして先生に目を付けられるという、問題児の部類に入ってしまって怖いイメージがついたりしたのだが、このクラスでは問題なく自慢の笑顔で溶け込んでしまったようだった。

「ルフィ君ていい人だよね」
「ん?そうか?」
「うん。…いい人なのに、何で喧嘩すんの?」

そして彼は私と一緒のクラス…………しかも前の席だったりする。最初に彼から話しかけてきてくれたのが仲良くなったきっかけだ。ルフィは訳が分からないと言うように首を傾げた。

「いい人だったら喧嘩しちゃいけねぇのか?」
「いや…そういう訳じゃないけどさ。いい人はまず、喧嘩しないじゃない?」
「?そんなこと言ってもよ。向こうから喧嘩売ってくんだ。おれだってこの学校の一番になるんだから、そんくらい勝たねぇとな!」
「運動部入ればいいじゃん」
「食べる時間が減る!」

誇らしげに胸を張るルフィ。シイナは呆れたように笑いを漏らした。
…何を隠そう、この大海原高校は喧嘩っ早い、言ってしまえば不良と呼ばれる人たちが多く入学してくる高校だった。何故かそういう人が集まるのだ。しかも私達の代はあまりにも先生達の手に終えないと言うような人達が一気に入学してきたので「最悪の学年」とまで言われるようになってしまったのだ。もちろん私のような普通の子もいるが。

「シャンクスと約束したからな!一番になるって!」
「あ、シャンクス先輩?知り合いなんだ」
「ああ。…ってもシイナ知ってんのか?」
「名前だけね。有名だし」

主に先生達が手を焼いてる一人、という意味で。
この先輩はもう既に高校は卒業しており、大学も今年で卒業と言ういい年の先輩なのだが、彼のことは有名すぎてこのクラスまで名が及んでいた。どうやら先生に卒業後の進路は根無し草で世界を見て回ると宣言したらしい。ある意味とんでもない先輩だが、この学校はそんな人も珍しくないと言うのだからもう不思議を通り越しておかしい。先輩も先輩だから、よくよく振り返ればルフィはまともな部類にはいるんじゃないかと、そう思えてしまうのもいけない。私はそんな考えを追っ払おうと、一人で首を横に振った。そんな私にルフィはすごく笑ってくれた。

「でもなぁ…最近この学校の一番だけじゃなくてもう一つ一番になりてえもんが出来たんだ」
「…え、嘘!?この学校だけじゃ飽き足らず!?」
「おう!」
「…ついでに、それは?」

そんな学校の一番を目指すと言うだけでもあり得ない話なのに、ルフィはまだもう一つと欲を出してきた。普段あれだけこの学校の一番になると騒いでいるルフィが他のものに目を向けると言うのだからシイナは、この学校の一番と並ぶものならば知りたいと胸の奥にしまっていた好奇心を取り出して耳を傾ける。

「おめえの一番だ!」
「…は?」
「おれはお前の一番になる!」
「…学校の一番は?」
「それもなる!」

私に全て宣言したルフィは、清々しいと言った様子で間食に手を付けだした。

「…意味、わかってんのかなぁ?」













(おいっ、麦藁!!てめぇまた騒ぎ起こしやがったな!?)
(げっ、ケムリンじゃん!!逃げんぞ、シイナ!!)
(えっ!?私も!?)
(何でシイナまで逃げてるんだ。顔も赤いが…)
(知りませんっ、助けてくださいスモーカー先生ー!!)



[ back to top ]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -