愚鈍な山茶花
阿吽の溜息
錆びた酸素のフルーツタルト
きみをさらうのは夜だけじゃない
味のない朝がこわい
冷めていく体温を指に絡めて、身を焦がすように呪う、来世でもきみの悪意になりたい
甘ったれて幾億年
くたびれて数世紀
好きになって数秒
まつげが落ちる月
少しばかりの後悔を引き連れて冬のとばりを越えていく
冷えた床、熱い指を絡めて、この世で2人きりの人類になった
1999年の朝
ようやく息を止められる
彗星とミートボール、明日はもう来ないって
ううんと深い底であたりまえみたいに朝を迎える
なすすべなく、なしとげることもなく
笑って夜の船
優しさの半分をはき違えたまま行き着くところで亡骸となった
ことばの棘センサー
どうしたって唇を噛むくせがなおらない
幸せなふりが板についてきた
不幸せだけがこの世につなぎとめる
愛だって脳信号
お前を忘れるためならなんだってする
赤い小指が目に焼き付いて、お前を物にしたいと思ってしまった