1周年 Thanks!
知らない振りは正直辛かった。傷ばかり作って、それと同時に仲間も増えて。綱吉の一番近くに居たつもりだったんだけどな。
「名前、俺…イタリアに行くよ」
何となく、何となく解っていた事だったけど…悲しかった。綱吉は何時か私にも事情を話してくれて、私も必要としてくれるんじゃないかって、勝手に思ってた。
「…………の」
「え?」
「私は要らない?綱吉にとってまったく必要なかったの?」
「名前ちがっ」
「違わない!見てみぬ振りがどれだけ辛いか綱吉にわかる!」
感情に任せて叫んだ事に後悔した。こんな事言うつもりは、さらさら無かったのだ。笑顔で何も知らない振りをして、見送るつもりだったのに。
「ごめん」
「名前…」
「ごめん綱吉。ごめんなさい…」
泣きたい訳じゃない。けど、言葉が詰まって出て来れない気持ちの分が、涙になって流れ出したみたいだった。
「名前を巻き込みたくなんて無いんだ。名前は俺の大切な人だから…」
「……」
「ねえ、待ってて欲しいんだ。俺が名前を守れるくらい強くなったら必ず迎えに来るから」
「綱吉のばか」
「そんな事言うんだったら今すぐ攫って行ってよ。私は大人しく待っていられる程、強い人間じゃない」
「…うん、知ってるよ」
「私は待てないよ、きっと」
「………」
「だからさ、ちゃんと
お別れしよう?」
バ イ バ イ 、 大 好 き
「
大好きだよ綱吉」
「でもこれじゃお互いが前に進めないと思うんだ」
「だから…
バイバイ綱吉」
席を立ち振り返る事なく店のドアを開け外へ飛び出した。
「…俺は名前を
愛してるよ」
お互いがちゃんと
サヨナラ出来たら、また此処で会いましょう。