◎第三話 干潟に埋もれる浅蜊貝ソーラーパネルについて、なんとなく濁しながら聞いてみると、どうやら今の時代にはまだ存在してはいないらしい。
ついでに今のジムリーダーの名前も聞きに行ってきた。『デンジ』の『デ』すら、かすりもしなかった。アハハハざまぁねえ。(あいつのランターンにどれだけ苦しめられたか)
…ちょっと待てよ。ここで一生暮らす事になれば将来的には停電の被害は確実に被るのか?
考えたくもなかった…。
一人将来の事を考え落ち込んでいたら、母が私を呼んだ。
「ジュリ?悪いけどお使い頼むわね」
渡されたメモとお金。
一つ頷くと、残りのお金でおやつを買っても良いとお許しが出た。頭を撫でられ、母に見送られる。
昨日アフロと別れてから気付いた事がある。この世界に来たいう事も大変な問題ではあるが、それともう一つ重大かつ難儀な問題があった。
「誰がこうなると予想出来ただろうか」
推理(?)小説の決まり文句がポロッと口を付いた。
晩のおかずとなる玉ねぎ(ハンバーグに入れるらしい)が入ったビニール袋を軽く揺らし、残りのお金で買った棒付きの飴をくわえながら歩く。
やっぱり●コちゃんのポップキャンディはオレンジ味が一番だよねー。
「お。ジュリー!」
なんか赤いアフロが手を振ってる気が、眉間に皺寄ってるぞ、なんて言ってる気がする。…気がするだけだよ。
「おまっ、無視すんな!」
「うるさいアフロ」
「俺…自己紹介したよな?」
ほら〜やっぱり気がしただけだ。赤いアフロなんて見えない。
「泣いていい?」
「それは鬱陶しいから止めろ」
地面にのの字を書き始めたアフロを蹴っ飛ばしたくなったが無視を決め込む。
3Pカラー
赤色と黄色と、私色?
(こちとら、頭が痛いんだよ)
解決策なんてまったく見つからない問題に、普段使わない頭をフル回転させてんだ。話しかけんな。
「機嫌悪そうだな」
「………」
ほっといてくれ。
ていうか何連れて来てんだ。あのアフロ、ぶん殴るぞ。
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