◎呼びたい名前/B:)サイドB
昼休み。
そのクッキーは俺にとって楽しみの一つなんだ。
「よう」
「いらっしゃーい」
「例のは?」
「ふ・ふ・ふ」
ニヤニヤと笑うツツジに意味が分からず首を傾げた。じゃーん!と渡されたのは可愛らしくラッピングされたクッキーだった。
「これ、もしかして…」
「そう!」
「不器用なツツジにしては綺麗に作れたな」
「ちっがーう!!」
やっぱりコイツの手作りかよ、と思っていらそうではないらしい。え。じゃあこれは…。
「何時ものクッキーか?」
「しかもグリーンに、だって」
良かったねーと笑うツツジの顔を少し呆けながら見た。て事は?
「まじか」
「お詫びらしいけど」
青天の霹靂?棚からぼた餅?兎に角俺としては嬉しい事件だ。何故だか知らないが彼女からは避けられているような感じがしていた。まあこれなら背負い投げされんのも悪くはないかも知れない…、否やっぱり痛いから遠慮したい。
「自分で渡せばいいのにねー」
そっちの方がさらに嬉しいかったりするのだが、今回は自分の分も用意されていたのでそれで良い。…お詫びらしいけどさ。
俺はこれが何かきっかけにならないだろうかと密かに期待した。
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