呼びたい名前



今親友のツツジに必死に頭を下げてます。


「頼んます」
「えー。ソナちゃんが直接渡せばいいじゃない」


貴女はそれくらいで済むかもしれないが、私の場合死活問題である。ほんと、本当に頼むから…。


「お願い!このお詫び品(クッキー)をオーキド君に渡しといて下さい!!」


例の件で非っ常に彼に迷惑をかけてしまったせめてものお詫びとして、昨日クッキーを焼いて来たのだ。……何時も焼いているからオーキド君の分がついでになるんだけど。


「背に腹は代えられない…。ね、一生のお願い!!」
「それどういう意味よ」


ぷくっと膨れたツツジ。


「明日からシフォンケーキにするから」


ぴくりとツツジの肩が揺れた。よし、後もう一押し。


「パウンドケーキも付けよう」
「! 仕方ないなぁ」


仕方ないといいながらも顔がにやけてますよお姉さん。
彼に悪い印象を与えたままでいるの嫌だ。その辺の男子生徒なら別に構わないけど…、やっぱり険悪な仲には絶対なりたくないし。それにツツジの彼氏だし、ね。
まあこれでなんとかなる、だろう。多分…。


「上手いこと言っといてよ」
「まっかせなさい!」


…不安だ。










人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -