◎桜咲く季節にそれは始まった。/B:)サイドB
桜舞う暖かな午後、天気がいいので近場をぶらぶらした帰り道、珍しい奴を見つけた。
「おーい!」
「あ、グリーンだ」
また、コイツは…。2、3人の大学生(くらいだろう)に絡まれやがる。…仕様がないな。
「悪い待たせたか?」
「ううん、平気」
「連れがいるのかよ」
俺の一芝居に合わせるツツジ。勘違いしたくれたようで男達は去っていった。
「お前また」
「うーん…なんでだろうね?」
………ダメだなこりゃ。コイツの親友に合掌。最近彼氏が出来たとかでツツジの表情は緩みきっているのも多分原因になるんだろう。
「彼氏は?」
「さっき別れたよ。家まで送ってもらったんだ」
コンビニに行きたくなってその帰り、なんてへらへらと笑っている。何のために彼氏が家まで送ったんだよ、と言う言葉は呑み込んでおく。ツッコミを入れるのは幼なじみにだけで十分だ。
「……送ってく」
「グリーンってお母さんみたい」
軽く自覚はある。周りに散々言われ続けているからな。(レッドの事で)ただこのままコイツをほっては置けない。良くて迷子、悪くて誘拐か。………洒落になんねぇよ。ツツジの親友である彼女の心労が心配になってきた。
とにかく帰ろうぜ、と言いかけた時。世界が回り背中に衝撃が来て、青い空が視界のほぼ全てを占めていた。
正直何が起きたのか分からない。ただ背中が半端なく痛かった。
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