>>こんばんは、二度めまして。


―ただいま検察中です…
―ただいま検察中です…

―検察完了しました


―検索結果、0件です
―『回避方法』は見つかりませんでした


―ピーーッ
―システムエラーが発生しました
―システムの修復を開始します



―システムの修復に失敗しました





なんと物騒な時間に私は街を徘徊しているんだろう。自分でも分からん。そして私はほとほと付いていないと実感した。


「こんばんは」
「……」


誰だコイツって言ってやりたかったんだけど…。ある筋からの情報で、もうすでに目の前にいる人がどんな人間なのか『知っていた』。


「黙りかい?まぁいいけどね。それより、こんな時間に女の子が一人うろうろするもんじゃないよ」


この街は危険だからね、奴は至極楽しそうに吐き出した。

ここは沈黙で通そうと思う。話している内にボロを出して、足元を掬われそうだ。



「そんなに怖がる必要はないよ」


背中に汗が流れた。どうして?
ただ対面してるだけなのに、何故こんなに恐ろしいと感じているのだろうか。全てを見透かしたような目を見る事など出来ない。目を合わせてはいけないと、直感的に感じ取る。


「ようこそキレた奴等が集う街『池袋』へ。歓迎するよ渡部千鶴さん?」




やってしまった。奴にとって名前を調べる事など、雑作もないはず。驚てしまった私は目を合わせてしまったのだ。その異常な鋭さを放つ瞳から目が離せない。
爽やかに笑っているはずのその笑みは、私にねっとりと絡み付いて離れないような、不気味さをしている。




「俺達前に一度、会ってるんだよねー。覚えてる?」



日付が変わった夜の街で、折原臨也に遭遇。これを運命の悪戯と呼ぶ事は出来ない。それだけでは片付けられない、仕組まれたモノが確かにソコにあったように思う。




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