>>ある日のチャット風景2
【昨日に引き続き、同居人の様子が可笑しいです】
[昨日話は聞けました?]
【いえ、それが凄い勢いで落ち込んでいて会話が…】
《ダメじゃないですかー!ちゃんと慰めてあげないと!》
【いや、慰める隙がないというか…】
【とにかく尋常じゃないくらい落ち込んでいました】
【この世の終わりみたいな顔をしてましたし】
[心配ですね]
《やっぱり素敵過ぎる出会いがあったんですよw》
【………】
【しかも今日はちょっと、ボロボロになって帰って来たんですよ】
【何か厄介な問題に巻き込まれているんじゃないかって心配です】
《そう素直に言ってみてはどうですか?》
《心配してるんですよーって。何か話せる事だけでもいいので、話して欲しいって、ちゃんと伝えたらきっと話してくれますよ!》
【そうですよね。甘楽さん有難うございます】
《いえいえー》
【では】
―田中太郎さんが退室されました―
「千鶴さん大丈夫ですか?」
「………大丈夫、です」
「……何も出来ないですけど、話しくらいなら聞けますよ?」
机に突っ伏していた千鶴さんが顔を上げ、きょとんとした表情でこっちを見た。自分も人の事は言えないが、千鶴さんは幼い顔をしていると思う。もうすでに二十歳を越えているらしいが、高校生と言っても普通に大丈夫だ。
「ごめんね、なんか気を使わせてしまって…」
「いえ!僕が勝手に心配してるだけですから!」
「ありがとう」
普段は無表情か、眉間に皺を寄せた小難しい顔か、ぽけっとした顔しかしないから分からなかったけど。ありがとう、と笑った表情は可愛らしいかった。
「もっと笑えばいいのに…」
「え?」