さっさと帰って来た私はマスターに報告。その後ミラさんに入れてもらったホットココアをすすった。あー、生き返る。


「アニマ本当にホットで良かったの?」
「ありがとうございます。さっきまで極寒の地にいたんで生き返ります」


ふは〜と息をつけば苦笑されてしまった。ミラさん本当に寒かったんですってば!横目で訴えながらココアを飲む。…やっぱアイスの方が良かったかな?


「あ!さっきの奴」
「っ!?」


後ろで大きい声に軽くむせた。ごほごほと咳をしているとやって来た元凶。


「お前新しい仲間なのか?」
「そうなの。ナツ仲良くしてあげてね」


ミラさんの一言にナツが瞳の輝かせた。


「俺はナツ!よろしくな」
「私はアニマ、よろしくお願いします」
「あ、私はルーシィです!今日入ったばかりで」
「大丈夫。私もまだここに来て1週間しか経ってない新米ですよ」


仲良くして下さいね?と手を出せば笑顔で握り返してくれた。


「アニマさんは…」
「呼び捨てで構いません。後敬語も必要ないですよ」
「あ、じゃあ私の方もね!ねぇアニマはどうして妖精の尻尾に入ったの?やっぱり強い魔導士を目指して…」
「行き倒れ、ですかね」


え…と固まるルーシィと、なんだ行き倒れてたのかと納得するナツ。なかなか面白いほど正反対の反応だ。


「えっ…と、行き倒れ?」
「行き倒れ、です」
「行き倒れ、だったわね」
「あい!」
「ハッピーは知らないでしょ!?」




私は3年程前から旅を始めたんだ。たくさんの街や村を歩きながら回ってね。面白い発見が多い旅で凄く楽しかっなぁ。でね、ちょうど2週間くらい前にお金が底をついちゃってさ、水分は川で水を汲んで、食べ物は狩りが主な生活を1週間程してたんだけど…やっぱり無理があって、ふらふら〜と移動してる最中見事にぶっ倒れちゃったの。倒れた場所がここ妖精の尻尾のギルドの前だった訳で、妖精の尻尾の人達に拾ってもらったんだー。


「もらったんだー。てアニマ!大変だったんじゃない!」
「私は運が良かったよ。ぶっ倒れたのがフェアリーテイルの前だったんだもん」
「だもんて…」
「うふふ、アニマって凄いでしょ?」


ルーシィはほんと色んな意味でねー、と呆れたようにため息をついた。うーん、そう言われればなかなかハードな生活だったなあ。あの時は生きる事に必死だった訳だしそんな事考えもしなかったなー。
……まあ前の私に比べたら随分タフになったもんだよ私も。肉体面も精神面も。


「なかなかハードだったかも」
「なかなかハードなんてもんじゃないでしょ…」



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