あれからの展開はなかなか早かった。ナツ達がマカオを助けに行ったのをルーシィが追いかけていく。ちょっとだけルーシィと話したいと思っていたんだけど…仕方ないか。


「アニマ」
「マスター?」


急にマスターからのお呼びだし。私は何か問題を起こしてはいないはずなんだけどな…。


「はい、マスター」
「どうじゃ、ギルドには慣れたか?」
「はい、お陰様で。皆さん良くしてくれますし」
「あらアニマが可愛いからよ」
「ミラさん…」


私が可愛ければ道行く女の子達皆がそれに入ると思います、はい。


「まあそれならいいんじゃよ。ところでアニマ、お前さんに頼みたい事がある……ナツ達の後を追って欲しい」


なんだそんな事。マスターが余りに真剣な顔するから何事かと思いましたよ…――あれ?これ何フラグ?


「でもマスター!アニマを1人で行かせるなんて」
「アニマに頼みたいんじゃ」


ギルドの総長にここまで頼まれたら断りにくいよね。








てな訳で2人と1匹を追って来ました。


「さっむ!?」


完璧な防寒をしてきたはずなのになんだこれは。なんで夏なのに吹雪くかなこの山。空気読めよ。

なんか眠たくなってきた。


「ダメだ。さっさと終わらせて帰ろう」


頭を一つ振り眠気を飛ばしてみた。無駄な努力に終わったけど。とりあえず視界の端に映った人影を追う。見失えば依頼失敗。マスターに会わす顔がない。てか、ナツさん…貴方見てるだけで寒いです私。



なんとか追いかけて洞穴を見つける事が出来た。ほんとさぶい。お家帰りたい。いや、しっかりしろアニマ。お前はこんな所で終わっていい魔導士じゃない!
…私寒さに弱いんです本当は。

やっとの思いでたどり着くと戦闘は終了。マカオの酷い怪我も手当てが済んでいた。あのマスター、私が来た意味ありますか?とか思ったりしたけど…。


「あの〜」
「うん、誰だ?」
「一応妖精の尻尾の一員です、はい」
「え、あのどうかしたんですか?」
「いえ、帰りは私に任せて下さい」


にこりと笑えば、頭上に?マークをたくさん飛ばす3人と1匹。たぶん私がやろうとしている事は間違っていないはずだ。…だと思うんですけど、どうなんでしょうねマスター?
この後すぐ質問をされる前にさっさと魔法を発動させ帰った。もう一秒たりとも寒い所には居たくない。





「すっげー、一瞬でギルドの前だ!」
「え!?何が起こったの!」

「父ちゃん!」
「ロメオ…」


私は親子の再開を確認して一足先にギルドに戻る。ちゃんとマスターに報告しないとね。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -