3ストーカー製造機
(別ジャンルのキャラが出る)

同じ会社に勤める男二人がストーカーになった。
二人ともストーカーの気質あるんじゃないのって思ってたらまじでなったからビビった。
一人目、折原さんはわたしが入社してすぐにアプローチ仕掛けてきて散々スルーしても諦めなかった人。

わたしは会社で彼氏がいることは話していない。
というか入社した時は涼ちゃんと別れていた時期で、寄りを戻したもののわざわざ会社の人間に報告する必要はないと思ってたんだけど……話しておけばよかったと後悔した。

折原さんはわたしと花宮さんの仲のよさに危機感を覚えたのか、アプローチが激しくなってきていた。
再度お断りのLINEを送ったらなんでだのどうしてだの爆撃を食らったからスルーした。
そして朝起きたら最後に「Die 4 U」の一文だけ送られてきてた。
英語力0のわたしはグーグル先生に頼った。ググったことを後悔した。なにこの曲の歌詞怖い。

もう一人は最近中途入社した及川さん。
彼はとてもモテるみたいでわたしが彼に惚れたと勘違いしたみたいだった。そんで彼もわたしに一目惚れしたらしい。
家の前まで着いてきたり、同級生との待ち合わせ場所に向かうときに当然のように着いてきたり、会社の人たちの前で告白してきて外堀埋めようとしたり。
極めつけにわたしと花宮さんで昼休みに外食行ったら「男と一緒にどっかいくときは事前に報告してよ」
付き合ってる気でいるの?とんだ勘違い野郎だ。

そんな話を軽く涼ちゃんに報告したらご乱心になった。

「なんなのそいつら!?名前は俺だけの名前ッスよ!?確かに名前がこんだけ可愛けりゃ惚れるのもしょうがないけど!てかなんで名前は彼氏いるって言わないんスか!」

一番面倒臭いのがここにいた。
涼ちゃんはわたしのヨッシーのぬいぐるみをこれでもかってくらい殴り付ける。やめてわたしの可愛いヨッシー殴らないで。殴るなら同じヨッシーでも由孝くんにして。

「彼氏出来たなんてわざわざ言うタイミングわかんないし。てか言ったら言ったら暴走しそうな人たちだよ」

「はぁ、俺しばらくこっち泊まるから」

「えっ」

「心配だから」

何時に起きればうちから会社に間に合うか計算し始めた涼ちゃんは、わたしの返答なんて聞く気はないんだろう。
×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -