2情緒不安定

ベッドの上で涼ちゃんに押し倒され腕を強い力で押さえ込まれた。腕が痛い。涼ちゃんがこんなことする心当たりはない。ないったらない。

「涼ちゃん、腕痛い」

「俺のことちゃんと好き?」

「ねぇ、痛いって」

「答えてよ」

そう促されても答えないでいると、涼ちゃんは顔を歪めて涙を浮かべる。
涼ちゃんはたまに情緒不安定になる。その度にわたしは意地の悪い反応をしてしまう。
とうとう涼ちゃんは泣き出してしまった。

「俺のこと愛してよ、俺はこんなに好きなのになんでわかってくれねーんだよ」

どこでスイッチが入ったのかわからない。なんで日頃から不安になっているのかわからない。わたしは人の心がわからなくなっちゃったんだろうか。
涼ちゃんはわたしの腕を解放してすがり付くように抱きついてきた。
腕の痛みからは解放されたけど今度は体が重さに耐えきれない。重い。

「涼ちゃん、好きだよ。この先涼ちゃん以外の人間と一緒にいる想像なんて出来ないくらい」

これは本音だ。年寄りになった自分を想像すると、そこには必ず一緒に歳を取った涼ちゃんがいる。元旦那と居たときでさえそんな想像出来なかったのに。

「じゃあ何で結婚してくれないんスか。俺とずっと一緒に居てよ。俺だけの名前でいて」

何度プロポーズされても、わたしは肯定も否定もしなかった。
ダメだ泣きそう。わたしも情緒不安定かもしれない。
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