※真波大学生設定

ありえない!
私の頭はこの言葉でいっぱいになっていた。
今日は、中学時代の同級生の後輩とデートの約束をしていた。
普段あまり年下と関わることはないけど、何回か顔を合わせてるうちに、気に入ったのだ。
イケメンだし可愛いし、懐かれてイヤな気する女なんていないと思う。
昨日も電話で「名前ちゃんとデート出来るの嬉しいなぁ!えへへ」なんて言っていた。可愛い。
ここまではいい。

珍しく時間ぴったりに待ち合わせ場所に向かうと、そこには彼ーー真波山岳はいなかった。
私もよく遅刻するしなんか奢らせればいいや!なんて30分ほど待ってたけど、真波は現れない。そこで私は電話をかけた。
プルルルと耳元で鳴り響く。しばらく待つが一向に出る気配がない。一旦切り、LINEでチャットを飛ばす。10分経っても既読もつかない。
計1時間待ちぼうけ、連絡もなしにこの私をこんな待たすとかありえない!と、ナンパしてきたそこそこイケメンな男とホテルに行った。


***



結局真波から連絡が来たのは、ナンパ男と存分に楽しみ、家に着いた頃だった。

「ほんっとうにごめん!」

自転車に乗っていたら山を登りたくなって、気付いたらこんな時間になっていた、マナーモードにしていて電話やLINEも気付かなかったと電話先から必死な言い訳が聞こえる。
もう私は怒ってなかった。というか真波のことがどうでもよくなっていた。

「いいよもう」

「怒ってる?本当ごめんね」

「怒ってないよ〜」

「なんか、素っ気ない。怒ってるでしょ?」

「しつこいな〜。怒ってないってば」

以前はかなり真波のことを可愛がっていた。デレデレだネなんて同級生に呆れられるくらいには可愛がっていた。

絞り出すような真波の声が聞こえる。

「……オレのこと、嫌いになっちゃった?」

「そんなことないよー。じゃあね」

無駄な応酬になることはわかりきってるからブチ切りした。
そうだ、靖友にカチューシャしたイケメン紹介してもらお!
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