大輝にありえないくらい犯されてから数日後。腰の痛さは相変わらず取れない。
仕事にも行かず買い物さえ行かずずっと家の中でダラダラしていたはいいのだが、冷蔵庫の中(主に酒)も空っぽになってしまった。そして2カートンあったタバコもなくなっていた。山盛りになった灰皿を見てこんなに吸ったっけとヘビースモーカーぶりに息が漏れる。
久々に車乗って買い物でも行こー、と身支度しアパートを出て駐車場に向かおうとすると、学校帰りなのか学ラン姿のテツくんの姿が目に入った。
「あ、テツにゃんだー」
私の呼びかけに反応し、振り向いたテツくんは駆け寄ってきた。
その様子に顔が綻ぶ。
「名前さん、お久しぶりです。お仕事はどうしたんですか?」
「一週間くらい休み取っちゃった。テツくんも帰り早いね。部活は?」
「期末テスト前なので、部活は休みなんです」
「勉強しなきゃなのかあ。ウチ来てすればいいじゃん」
テツにゃん不足で死んじゃうと抱きつくと、テツくんは頭を撫でてくれた。
あー癒されるー。あ、でも買い物行かなきゃいけないんだった。
「どうするウチで勉強する?」
多分テツくんよりバカだから教えてあげれないけど。そういうとじゃあお邪魔させてもらいますと微笑んでくれた。かわいすぎてヤバい。
「でも私これから買い物行くから、ウチで待ってる?」
「一緒に行きます」
勉強しなくていいのか即答され、テツくんも連れていくことになった。
久々に会えたのは嬉しいしウチに来てくれるのも嬉しいけど、腰が痛いのを忘れてた。
テツくん勉強しなきゃだしヤらなくても平気かなー。思案しながら駐車場に向かうと、テツくんは私の腕を掴んできた。
「名前さん、車運転できたんですか?」
「あれ、知らなかったっけ?普段はお酒飲むからあんま乗らないんだよね」
とりあえず早く買い物行っちゃおうと愛車の黒いエルグランドを見ると、見るからに砂などで汚れていた。
買い物前に洗車機につっこまなきゃと溜め息が漏れる。
「買い物行く前にガソスタ寄るから、中で勉強してていいよ〜」
ワイヤレスキーで鍵をあけ運転席に乗り込むと、テツくんが助手席へと乗り込んできたのでそのまま発進させた。
テツくんは大量の買い物袋を重たい様子もなく部屋まで運んでくれた。
お酒や食材を冷蔵庫に詰め込み、グラスに氷を落とし麦茶を注いでリビングまで持って行く。
「はい、荷物ありがとーね」
グラスをローテーブルに置きテツくんの隣へと腰掛ける。
ソファーではなく床に座ってるのは勉強するためなんだろう。
麦茶を一口飲みこみ、今日はご飯なんか作ってあげるねと立ち上がろうとすると、手首を掴まれた。
「名前さん、コレどうしたんですか」
いつもより怖い声でそう問いかけてきたテツくんを見やり視線の先を辿ると、私の手首の痣。
まだ消えてなかったのか。赤黒さは全く引いていなかった。
なんて嘘吐こうか思案していると、ガツンと後頭部に衝撃が走った。
前を見るとテツくんと天井が見える。どうやら押し倒されたらしい。
「両手に、なんてまるで縛られて痕がついたみたいですね」
やっぱりなかなか鋭いなあ。
「そう見える?」
笑いながら問いかけると、荒々しく口付けられた。
マズいなー、腰痛いからヤれないのにー。なんてのんきに考えてると、上からテツくんの焦れたような声が降ってくる。
「なんでそうやっていつもあしらうんですか。どうしてこんな痣がついたんですか?」
「んー、どうしてだろうね?」
笑みを消さず答えると、深く口付けられ服の中へと手が侵入してくる。
ブラをずらされ、胸の敏感な部分を撫でられ子宮が疼いた。
そして、やっぱり腰に痛みが走った。
「痛っ……はぁ、今日はエッチできないよ」
「なんでですか?生理?」
いつも生理の時はバスルームでヤっているからか、不思議そうな表情で頬を撫でてくる。
「腰痛いからムリ」
私の言葉を聞いた瞬間、テツくんが今まで見たこともないくらいに怖い表情を浮かべた。
ホントに鋭い子だなー。でもこの痛さでヤるなんて絶対ムリだ。テツくんなら無理矢理にはしてこないだろう。そんな風に甘いことを考えた。
「誰かとしたんですか?」
骨が軋む音が聞こえそうなほど強く両手首を握られ、顔が歪む。
「この手首も、誰かに?」
ギリギリと更に力を入れられ、声が漏れる。
「痛い、テツにゃん怒ってるの?顔怖いよ?」
こんな時にでも茶化すような言い方をしてしまうのは、私の元来の性格故か年上の余裕か。多分両方なんだろう。
そんな私に苛立ったのか、唇を噛み付かれた。噛み付くようなキス、とかではなく本当に噛み付かれた。
あー、テツにゃん犬みたいだなーなんてこの場に似付かないことを考え思わず笑ってしまう。
「なんで笑ってるんですか」
今の状況分かってます?そんな視線を受けても私は相変わらず。
「テツにゃんかわいいなーって」
「はぁ、ちょっと待っててください」
動いちゃダメですよ。そう言って私から離れたテツくんを眺めながら、言われた通りに動かずぼんやりとする。
テツくんは見かけによらずホント独占欲強いんだなあ。
他の男だったらウザくて即切ってるけど、可愛いテツくんだから許してあげるのだ。
私はこんなにもテツくんに甘いのに、分かってないんだから。
「名前さん」
「ん?なに?」
頭を抱き起こされ、目元が真っ暗になる。私の視界を布か何かで覆ったのだろうか。
目隠しプレイしたいの?そう問いかけると無言で私をまた床に押し付け、両手の自由を奪われる。
「紐がなかったんで、ビニール袋で縛りますね」
ギチリと手首に食い込むほど強く縛られ、ソファーの脚かどこかに固定されてしまった。
テツくん。そう呼びかけても返事はしてくれない。
トップスを捲くり上げられ、ジーンズが下着ごと取り払われるが、何も見えないせいで何をされるのか予想もつかない。
何か物音が聞こえたあと、膣口に何かが宛がわれ、乱暴に捻じ込まれた。
「痛っ……やっ、あっ」
「流石に、キツい、ですね」
多分テツくんのモノなのだろう。濡れてもいないのにいきなり突っ込まれるなんて初めての経験で、痛みと一緒に快感がこみ上げる。相変わらず腰も痛くて死にそうだ。
乱暴にされて興奮するなんて、私マゾじゃないはずなんだけどな。
激しくナカを犯され、すぐに濡れて滑りがよくなった。
「こんなことされて感じるなんてどういう身体してるんですか。他の男にもこうされて喜んだんですか?」
「ちがっ」
大輝の時は何回もヤったあとに拘束されたのだ。ちゃんと順序は踏んでから挿れられた。
多分テツくん以外にしょっぱなから挿れられそうになったらキレる。
でも、可愛いテツくんだからこそ受け入れてあげるのに。勘違いしないで欲しい。
突き上げられながら、唇が重なり舌を差し出す。だがすぐに離れ、首筋を舐められた。
そして、突然首筋に激痛が走る。
「いっ……!」
「っ……名前さん、すごい締め付けです」
噛まれたのだろう、ジンジンと痛む。更に腰を打ちつけられ、すぐに限界に達しそうになる。
するとテツくんは私のナカから引き抜いた。
「まだイっちゃダメですよ」
イきそうだったのに焦らされ、腰が揺れてしまうのを抑えようとするがムリだった。
テツくんは今どんな表情をしているのだろうか。その可愛い顔を見たいのに。
脚を持ち上げられ、内腿にぬるりとした感覚にゾクゾクする。すると、また先ほどのような激痛が走る。
「いったぁ……」
「もう他の人とこんなことしないでください。約束してくれたら噛むのやめます」
「それは、ムリかも」
テツくんが、私が呼んだらいつでもすぐに来てくれるような男ならば約束してあげてもいいかもしれない。でもテツくんは部活が最優先なのだから。
「じゃあ、噛んじゃいますよ」
そう言われ今度は胸と鎖骨の間に激痛が走る。こんだけ痛いのだから確実に痣になるだろう。
見えそうなとこばかり噛まれて、仕事どうしよ。
思わず顔を顰めると、膣内にゴツゴツとしたテツくんの指が侵入してきた。
「あっ、」
胸を舌で刺激され、膣内は指で刺激され、何も考えられなくなる。
「んっ……ねえ、イかせて」
「ダメです」
刺激がなくなったと思ったら、胸元に重圧がかかる。
「舐めてください」
そういって私の唇に押し付けられたのは多分テツくんのモノ。
素直に口を開くと、無理矢理捻じ込まれた。
おっきくて口あけるのが辛いが、可愛いテツくんのモノなのだ、吸い付きながら舌を使うと、テツくんはノドの奥まで突っ込んできた。
「っ……」
苦しくて思わず動きを止めると、すぐに引き抜かれる。
「名前さん、早く約束してください」
「ム、リ……」
何時間経っただろうか。相変わらず私の視界は真っ暗だ。
イきたくてもイけないし手首も腰も痛くて目が潤む。
「ねえ、イかせて?」
テツくんだって一度もイってないと思う。自分でしてなければ、だけど。
ダメですしか言わないテツくんに少し苛立つ。
「じゃあいいよ、もう」
他の男呼ぶから帰っていいよ。もう会わない。そう告げると、戸惑った声が降ってくる。
「え、あの、」
勿論、テツくんがこのまま帰るだなんてありえない。
それに手放すつもりもない。テツくんならこう言えば私のいうことを聞いてくれると確信してるからこそのセリフ。
「ねえ、早く気持ちよくして?」
そのあとは私もテツくんもすぐに果てた。
限界まで我慢してからのオーガズムは今までで一番気持ちよくて、少しテツくんに感謝した。
しょんぼりした表情で私を抱きしめているテツくんを見て、笑みが零れる。
「バカだなあ、テツくんのこと手放すわけがないでしょ?」
さっき言ったことは冗談だよ。そう笑うと申し訳なさそうに謝られた。
テツくんが悪いわけじゃないのに。ホント可愛すぎてどうしよう。
「テツにゃんと会えないときに、他の男を代わりにするだけだから安心してよ〜」
なんてことのない軽い口調でそういい、抱きしめ返し眠りについた。